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閑話 ページ11

むかしむかし、ある所に美しい小鳥がいました。

小鳥は心優しい飼い主に飼われ、小鳥も飼い主もお互いが大好きでした。

小鳥は檻が嫌いでした。檻があるこの部屋が、窓が嫌いでした。

小鳥は外の世界を見たかったのです。

でも、そう簡単に檻を出ることは出来ません。

外の世界には危険なことが沢山あることも知っています。

小鳥は諦めて、そのうち外の世界のこともあまり考えなくなりました。



ある日、飼い主とその家族は旅行に出かけました。

家を出る時、飼い主は小鳥の檻がある部屋の窓の鍵を掛け忘れてしまいました。

小鳥も飼い主もその家族も、誰一人そのことに気づきませんでした。

不幸なことに、以前から小鳥のことを狙っていた烏は、そのことに気づきました。

烏は、仲間の黒猫に小鳥を攫うよう頼みました。

月明かりのない夜、猫は小鳥の家へ忍び寄り、窓を開け、小鳥の前に現れました。

小鳥は黒い影に驚き、恐怖しました。

空を飛ぶのが得意だった小鳥は、力強く羽ばたこうとしました。

しかし、あまりにも恐ろしかった所為か、飛ぶことが出来ませんでした。

ゆっくりと近づきながら猫は言いました。


「大人しくついてきたら、怪我はさせないよ」


頭の良かった小鳥は考えました。

ついて行ったら二度と戻れない。

でも、言うことを聞かないときっと殺されてしまう。

小鳥はゆっくりと頷きました。

猫は小鳥を大事そうに咥えて烏の元へ帰りました。

烏は小鳥を見るなり、こう言いました。


「思った以上だ。美しい」


小鳥は烏の鋭い目に怯えましたが、目を逸らすことはありませんでした。


「君のその頭脳と力を、私の為に使ってほしい」


小鳥は素性を隠すため、美しい羽を染めました。

小鳥には新しい仲間が出来ました。

梟や黒豹、野犴(ジャッカル)、そして狗や狐…

仲間達は小鳥を物珍しげに遠目から見ていましたが、蔑んだりはしませんでした。

小鳥は仲間に認めてもらうために奮闘しました。

そのうち実力を仲間に認めてもらい、打ち解けていきました。



小鳥は飼い主達に会いたいと思いましたが、あの檻の中には戻りたくないと思いました。

自分を攫ってきた黒猫や、それを命じた烏に感謝さえしていました。

小鳥は毎日が楽しかったのです。

そして────



小鳥は獅子に出会いました。

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設定タグ:文スト , 中原中也 , ギャグ   
作品ジャンル:アニメ
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いむいむ - お母さんすげえ… (2018年6月4日 17時) (レス) id: dc78839770 (このIDを非表示/違反報告)
蘭香 - お母さん怖い…いやまじでこえぇ! (2018年5月20日 2時) (レス) id: 4a14a6da47 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キドホ x他1人 | 作成日時:2018年3月14日 21時

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