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甘い甘い＊２ ページ6
ドーナツショップに、中也とA。奇妙な取り合わせだ。店内は二人以外には客はいなかったが、店員はこの二人の関係を読み切れずにいる。
「どうだ、美味いか？」
「うん」
Aはお目当てのドーナツを頬張ってから答える。
「食べないの？」
中也はコーヒーしか頼んでいない。
「俺は、いいんだよ」
「ふぅん……」
Aは二口目にかかった。パリッとコーティングされたチョコが割れて、柔らかい生地の食感。甘いチョコと甘い生地、そして甘い甘いバニラの香り。文句なしに美味しい。
こんなに美味しいのに……。
ダメ押しに、Aはもう一度中也に尋ねた。
「本当に、食べない？」
中也はふわりと口元に笑みを浮かべて答えた。
「いいんだよ、俺は」
Aがもう一度、なんで、と聞こうとしたが、それは中也によって遮られた。彼の手のひらが、Aのぽんと頭に触れる。彼は、微笑んでいた。
―fin―
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作者名：雪の | 作者ホームページ：https://twitter.com/snow_snow_dream?s=09
作成日時：2018年10月7日 11時
