少女とアヒル。 (ページ3)

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アヒルページ3

るるside

私はるる。

いつも寂しく過ごしてた。

私の世話をしてくれる人間なんて興味ないし、覚えてもいない。

…いつも1羽じゃなかった。

私には妹がいた。

りりという名の。

りりは可憐で優しかった。

いつも一緒にいて、ご飯を食べる時も、泳ぐときもいつも一緒。

でも、ずっと続くわけではなかった

病死、だった。

私は悲しみ、感情を失い、何も感じなくなった

前まではあんなに大好きだった人間も、今はもう眼中にない。

でも…

今日、一人でくつろいでいると、影ができた。

ちらりと見てみると、見たことない顔だった。

まあ、他の奴の顔なんか覚えてないからわからないけど

彼女は目を輝かせて私を見つめた。

…邪魔だ。過ごしにくい。

私は背を向けて再びくつろいだ。

すると音を立てて彼女も背を向けて檻にもたれた。

彼女の長い髪からはいい香りがした。

ふわりと、花のような香り。

清潔だな。と思った。

少しだけ興味がわいたかも？

いい香りがするだけで、興味を持つなんて、私も薄情なアヒルだ。