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「こいつ、もう寝そうじゃん」
「ねー、目がトロンってしてるよ」
あんなにパタパタ振ってた尻尾も、もう静かになってる。
「公園で遊ぶの久しぶりな感じするな」
「そうだね。最近はお買い物とかだったもんね」
「隣の駅前にアイスクリームの店できたの知ってる?」
「知らない」
「今度...」
剛がそう言いかけた時、後ろ方ワッと二人に脅かされた。
「わー!!びっくりした!」
「今度、何?」
「言わねーよ」
「教えろよー」
やなこった!なんだと!
そうやって男子二人がふざけてるのを見てぽんずが目を覚ました。
あーちゃんからペットボトルを受け取って、ベンチの隣をあけた。
「後ろから見てもお似合いなのになー」
「ちょっと」
「剛くんには遠くて聞こえないよ」
「...。」
お兄ちゃんにも感謝だねぇってあーちゃんは笑って。
夕日がだんだんと傾き始めていた。
全然勉強は進んでないけど。
それでもすごく楽しい時間を過ごした気がする。
ま、まだあと10日はあるし!
ぽんずが剛と健くんの方に走り出して、3匹の子犬が戯れてるみたいに見えた。
「そろそろ帰るかー」
「そうだね」
「あーあ、全然勉強しなかった」
「俺も」
剛も?
「えー??なんで剛も?」
不思議に思ったことを代わりに健くんが聞いてくれた。
「隣の家から楽しそうな声聞こえてきたらふつー気になるだろ」
「特に好きなコ...」
もごもごもご。
剛が健くんの口を塞いで、てめーって怒った。
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作者名:たすく | 作成日時:2017年8月17日 16時