一息処へようこそ ２［V6］

34 冷奴 ページ4

なんだかんだ私も忙しくなって、次に一息処に行けたのは1ヶ月くらい空いてからだった。


仕事終わりに久しぶりに一息処に顔を出すと、長野さんと井ノ原さんが出迎えてくれた。


｢おー！Aちゃん｣
｢久しぶりだねぇ｣
｢お久しぶりですー！｣

ほら隣座りなよって井ノ原さんが椅子を引いてくれて、おじゃまさせてもらう。


3人できゃっきゃ盛り上がっていたら、それを坂本さんが聞きつけて裏から戻ってきてくれた。

｢だれ来た？｣
｢お久しぶりです！｣
｢お！Aさんだ！久しぶり〜｣
｢あれ？なんか坂本さん焼けました？｣
｢あーこの前実家の八百屋手伝ってさ｣


こんなに色変わっちゃったって、坂本さんはちょっと嬉しそうにTシャツの袖をめくってみせた。


井ノ原さんと長野さんはまだ焼けてないな、とか、もうそろそろ日焼け止め塗らないとって話しながら坂本さんが冷奴を出してくれた。

｢あ、おいしい｣
｢だろー！夏はこれだよ！｣


坂本さんはお前が得意そうに言うなって井ノ原さんに言いながらも嬉しそうにしてる。


｢まだ夏じゃないけどね｣
｢なんだよ長野くん。6月だってこんなに暑いなら夏だよ。ねぇAちゃん｣
｢そうですねぇ。暑いけど時期的に梅雨ですね｣


ちらって長野さんの方を見たらニコって微笑んでくれて、そのあと井ノ原さんを見て｢ほら見ろ｣って顔をした。

｢なんだよぉ二人揃ってぇ｣

ぶつぶつ言いながらもまた冷奴を食べておいひいって目を見開いてる。


｢そういえば、三宅さんがテレビに出てましたね｣
｢そーなんだよ！｣
｢あれから忙しくなったみたいでさ、今月まだ1回しか来てないよ｣
｢そーなんだ…｣

やっぱり、テレビに出ると忙しくなるよな。



長野さんと坂本さんが明日の話をしに裏に行った時、井ノ原さんがこっそり言ってきた。

｢健に会いたくて来たの？｣
｢えっ、いえ…ご飯食べに…｣
｢ふふ、そっか。前健が来た時俺もいたんだけど、健はAちゃんに会いたがってたよ｣

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