51 想い人 ページ21
先取りの夏祭りからしばらく経って、本格的な夏が始まっていた。
学生たちはもう夏休みが始まっていたけれど、社会人の私たちはお盆前の仕事に追われていた。
「この企画、お盆後にスムーズに進ませたいからちょっと今時間いい？」
「いいよー」
大野くんに呼ばれて、デスクから場所を移動した。
途中で缶コーヒーを買ってから後を追う。
「夏真っ只中のイベントってなるとやっぱ海とか花火とかしか思い浮かばないんだよなー。夏のイメージに凝り固まってる感じ？」
「でもさ、大人の夏休みって少ないじゃん？でも青春！みたいなはっちゃけた夏って来ない気がするし」
「そうなんだよなー」
オープンスペースに座ってあーでもないこーでもないって話し合ってると、違う会議を終えた二宮くんと相葉くんが通りかかった。
「何してるんすか？」
「ん？この前言ってた企画のやつ」
「夏のやつですか！」
そーそーって言いながら大野くんが2人に企画書を見せた。
「なんか、一瞬で終わる大人の夏休みの切なさみたいなのも出せたらいいよね」
「切ない...かぁ」
「2人の夏の切ない思い出は？」
「そんなの聞き出したらお昼休みまでかかっちゃいますよ」
そんなに！？って笑いながら、大野くんはお腹すいたねって言い出した。
「まあ時間も時間だし、昼行くか」
「そだね」
片付け始めてデスクに戻ると、さっきの2人がニコニコしながら私と大野くんを待っていた。
「おまいら何してんの」
「昼待ちしてました！」
「えぇ？」
「一緒に行きましょうよー！」
「二宮はどうせ奢り待ちだろ」
よくご存じでーなんて言いながら、ちゃんと4人でお昼に出た。
外に出ると日差しは刺すような暑さで、思わず顔をしかめた。
一息処の冷やしお茶漬け食べたいなって思いを馳せていると、二宮くんに顔を覗き込まれた。
「何考えてるんですか？」
「え、何にも」
「Aがボーッとしてる時は大体想い人のことを考えてる時だよ」
「想い人！Aさん好きな人いるんですか」
面白い話を見つけたかのように相葉くんが飛びついた。
余計なこと言って...と大野くんを睨むと、ごめんって感じで首を竦めた。
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いちご(プロフ) - たすくさん» とても好きな作品です。いつか続きが読めることを心待ちにしております…！ (2022年1月13日 6時) (
レス) id: c0a7076b19 (このIDを非表示/違反報告)
丸メガネ(プロフ) - この小説本当に大好きです。たすく様の続けやすい更新頻度で頑張ってください。応援しています。 (2021年11月27日 13時) (レス) @page32 id: d2b1880b5d (このIDを非表示/違反報告)
さっぷる(プロフ) - たすくさん» 更新とご返信、ありがとうございます！今回も素敵なお話で、益々続きが楽しみになりました！ご自分のペースでゆっくり更新なさってくださいね〜！ (2021年8月24日 2時) (レス) id: 0ad332718e (このIDを非表示/違反報告)
たすく(プロフ) - さっぷるさん» さっぷるさん、いつもコメントありがとうございます。やっと更新することができました。これからも楽しんでいただけると嬉しいです！ (2021年8月22日 23時) (レス) id: 33661927ce (このIDを非表示/違反報告)
たすく(プロフ) - NAOさん» NAOさん、コメントありがとうございます。そしてお久しぶりです。読み返していただいているなんでありがとうございます...！これからもちょくちょく更新していくので、楽しみにしてもらえると嬉しいです^ ^ (2021年8月22日 23時) (レス) id: 33661927ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たすく | 作成日時：2019年4月28日 17時
