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「さて、夕飯でも食べに行くか」
花火が終わって、人混みが引くまで余韻に浸ってた。
三宅さんの言葉で我に返って、まだ一緒にいれるんだって嬉しくなった。
「いいですね!どこ行きますか?」
「うーん、安定に一息処?」
「ですねー」
電車に乗る前にもう一回三宅さんのお店によって、店員さんに声をかけてるのを待ってた。
「もう言った?」
「ちょ、まだ!」
そんな声が聞こえて来て、やっぱりこのお店は仲が良くて楽しそう。
パタン、とお店の扉が閉まったのを見送って、花火の帰りなのか人通りがいつもより多いのをぼーっと見ていた。
するとすぐにドアが開いて、三宅さんが顔を出した。
「Aちゃんも中においで?」
「あ、ありがとうございます」
「入ってこないからびっくりしたよ」
笑いながら私を招き入れてくれて、店員さんもこんばんわって挨拶してくれた。
「こんばんわ」
「花火、どうでした?」
「素敵でしたねー。久しぶりに見たんですけど、やっぱりお祭りとかは楽しいですね」
「あの…気になってたんですけど、」
「はい?」
急に店員さんが真剣な顔になって私を見た。
「Aさんって、彼氏いますか?」
「え!?」
「すいません突然!Aさんいつもキラキラしてるから、素敵な人でもいるのかなーって」
「えー!ありがとうございます。でも、彼氏はいません」
「そうなんですか!?」
もし、私がキラキラして見えるなら、それは
「じゃあ、好きな人がいる、とか」
それしかないと思う。
そして、それはここの店長さんですよ、なんて言えない。
「…そう、ですね。好きな人はいます」
私がこう口を開いたタイミングで、三宅さんが裏から戻って来て、
見たことがないような傷ついた顔をしていた。
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いちご(プロフ) - たすくさん» とても好きな作品です。いつか続きが読めることを心待ちにしております…! (2022年1月13日 6時) (レス) id: c0a7076b19 (このIDを非表示/違反報告)
丸メガネ(プロフ) - この小説本当に大好きです。たすく様の続けやすい更新頻度で頑張ってください。応援しています。 (2021年11月27日 13時) (レス) @page32 id: d2b1880b5d (このIDを非表示/違反報告)
さっぷる(プロフ) - たすくさん» 更新とご返信、ありがとうございます!今回も素敵なお話で、益々続きが楽しみになりました!ご自分のペースでゆっくり更新なさってくださいね〜! (2021年8月24日 2時) (レス) id: 0ad332718e (このIDを非表示/違反報告)
たすく(プロフ) - さっぷるさん» さっぷるさん、いつもコメントありがとうございます。やっと更新することができました。これからも楽しんでいただけると嬉しいです! (2021年8月22日 23時) (レス) id: 33661927ce (このIDを非表示/違反報告)
たすく(プロフ) - NAOさん» NAOさん、コメントありがとうございます。そしてお久しぶりです。読み返していただいているなんでありがとうございます...!これからもちょくちょく更新していくので、楽しみにしてもらえると嬉しいです^ ^ (2021年8月22日 23時) (レス) id: 33661927ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たすく | 作成日時:2019年4月28日 17時