さよなら一番愛した人【京本大我】 (ページ25)

今日:10 hit、昨日:1 hit、合計:45,316 hit

Episode 10.2【森本慎太郎】ページ25

.

昨日の夜、きょもからメールが来たんだ

『Aさんが亡くなった』って

俺はまだ信じられなくて､今日まともに寝れなかったよ
だってさ？今日、きょもとAさん結婚式の予定だったんだよ？
それがなんで葬儀なのか意味がわからないよ

そうやって俺は現実逃避したかっただけなんだと思うけど
実際心の中では分かってたことだったし
でもやっぱり身近な人が亡くなるのってめちゃくちゃ悲しいよな

今日の朝、髙地と一緒に葬儀場に向かうとかそこにはもう大々的に名前とか写真とか飾ってあって一気に現実に戻された感じ

「ほんとに…亡くなったんだ」

髙地「な…まだ実感わかないよ俺」

「俺もだよ…」

髙地「本当だったら、華々しくて素敵な1日だったようにね…」

ｼﾞｪｼｰ「こーち、慎太郎達もう着いてたんだ」

聞きなれた声がして振り向くとそこにジェシーと北斗、そして離れたところで写真を見たりしてる樹が来ていた

北斗「京本にもう挨拶したの？」

「いや、まだ……」

少し離れたところに親族と会話してるきょもを見つけた
多分、喪主だからかすごく色んな人と話してて大変そうだなって遠目から見てそう感じた

俺たちの視線に気づいたのかきょもは親族との会話を切り上げて俺たちに近づいてくる
なんか……ちょっとやつれた？？？

.

.

.

きょもにお悔やみの挨拶をして俺たちは全員でAさんの顔とお焼香をあげに行った

棺に近づいてみるとそこにいたAさんはすごく綺麗でまるで普通に寝ているように見える

「Aさん…すげぇ綺麗…良かったね…ずっと着たがってたもんね」

Aさん

改めて結婚おめでとう
きょもへの愛が凄くて心配かけたくないって言ってずっと自分ばっかり追い詰めてたAさんだけどたまに俺たちに頼ってくるAさんが可愛いって思っててきょもの次に俺たちが護ってやろうって話してたんだ

俺たちのアシスタント長年やってくれてありがとう

俺、迷惑めちゃくちゃかけたかもしれないけど嫌な顔せずに一緒に笑ってくれて嬉しかった

癌で余命が短いって言われてる時もずっっと弱音吐かないで頑張っててほんとにすごいよ
でももう、楽になっていいからね

もう苦しい思いも痛い思いもしないから
後は安らかに眠ってください

Aさん、俺たちのこれからの活躍天国で見守っててね。

ありがとうございました

.