主人公とかヒロイン大っ嫌い。【名探偵コナン】

偽善者 ページ15

Aside

今日の一日は余りにも濃すぎた。



段々とキツめなメイクに普段と違うせいか苛立ちを感じる。

どうせ誰もいない。

家まで100メートルもない。

躊躇なく変装をとく。

自分の頬に当たる風は冷ややかで気分が上がる。





早く帰って寝る為。



疲労続きの足を無理矢理動かす。





そんな時に、路地裏から40代半ば辺りの男の呻き声。



「ﾋｯ、た、助けてくれ…!!、もう、何も干渉しないから…ｳﾞ、ｳﾞゎｱ……」




続いて耳を劈く破裂音。銃声……


声も呻き声も消えた。


うん。安らかに眠れ。





目の端に映った艶々の銀色は気のせい。




そして、悪いが私は親切じゃない。


飛び付くような好奇心もない。


警察に連絡する偽善者でもない。


既に死んでいるであろう相手に必要のない救急車も呼ばない。


どじも踏まない。





危ない綱は渡らないのが正解。









無視して家へ一直線。




家へ付けば戸締り。





シャワーを浴びれば眠気は消えた。




先程買った酒に手をつける。




1番のお気に入りはスピリタス……
アルコールの濃度は96%

この濃度でさえ最近は慣れてしまって少し物足りなさを感じる。



きつめのアルコールの香りが鼻を擽る。


喉越しは上々。






今日は満月。




そんな日は思い出す予定の無い記憶を蘇らせる。

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