桜の咲く世界から (ページ28)

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～離さない～ページ28

さららsaid

ここは…？
目を開けると、倉庫？みたいな所にいた。
手と足が縛られて、身動きがとれない。

月葉「目が覚めたみたいだね」

さらら「月葉、晴斗は無事なの…？」

月葉「こんな時なのに他人の心配かよ」

さらら「悪い？」

月葉「いや、僕はそんな姉様だから好きになったんだ」

さらら「それで、晴斗は無事なの？」

月葉のあの笑顔、寒気がする…。

月葉「どうだろうね僕が最後に見たときは生きてたけど、あの颯って男に殺されてるかも…」

さらら「縄をほどいて」

月葉「どうして？」

さらら「晴斗を助けに行くからに決まってるでしょ」

月葉「は？行かせないよ」

いつもは高めの月葉の声が、いつもより低くなり、こちらを睨み付ける。

月葉「姉様は僕と一緒にいるんだよ永遠にね」ﾆｺｯ

さらら「…」

月葉「そんな顔の姉様も好きだよ」

月葉は私の顔に手をあてる。

さらら「触らないで…！」

月葉「弟に向かって触らないでは酷いなぁ」

さらら「あなたみたいな弟なんて要らないわよ…」ﾎﾞｿｯ

月葉「…調子に乗るなよ」

月葉が私に手を回し抱きつく。
そして耳元で囁く。

月葉「姉様は僕の人形なんだ人形は言うこと聞かないとね… そうしないと僕、何するか分からないよ」

狂ってる…。
そんなことを思っても、身動きをとれない私には、どうすることもできなかった。