降谷零の好きなタイプが私と真逆な件について【降谷零】

真逆21 ページ22

「『…』」


玄関先であんなに騒いでると近所迷惑になりかねないのでとりあえず零を家にいれた


なのに零は怒っているのかなんなのかさっきからずっと私を睨んでくる



『…零、今日機嫌悪いよね？』


「はぁ？俺が機嫌悪い？なわけないだろ何言ってんだこのメスゴリラ」


えええええめちゃくちゃ機嫌悪いじゃん!?なんでそんなバレバレの嘘つくのこの人！？



『昨日逃げたこと怒ってるなら謝るよ、ごめん…でもどうしても言えないから…どうせ叶わない恋だし』



私がそう言うと、さっきまで機嫌の悪かった零の顔がパァと効果音がつくんじゃないかってくらいの笑顔になった



「それほんとか！！」


『…何が？』


「叶わない恋ってほんとなのか、って聞いてるんだ！！」



叶わない恋の相手は、何故かキラキラした笑顔で私に聞いてくる


そんな零に私は少しイライラしながら


『本当だよ』


と答える



すると零はホッとしたような表情を見せ


「そうだよな！メスゴリラのお前が人間の彼氏作って僕より先にカップルになるなんてありえないもんな」


なんて言うから私はさらにイライラする



本当になんなのこのひと



朝から家に来たかと思えば「お前の恋は叶わないよ」って本人から宣告された気分だ



…だから



『…そんなに私が恋するって間違ってる？』


「え…」


『そんなに私は彼氏作っちゃいけない？恋しちゃいけないの？』



想いを伝える気もなかった

今の友達関係で充分すぎて文句もなかった



だって貴方のタイプじゃない私は紛れもなく【対 象 外】



だけど、本人からこんなに脈がないことを宣告されて私はすごくショックだった


わかりきってたことなのに、本人に言われると重みが全然違った



「…A？泣いてるのか？なんで…『いいからもう帰ってよ！！！！』」



だから私は零の言葉を遮り、家から追い出したのだ

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