降谷零の好きなタイプが私と真逆な件について【降谷零】

真逆11 ページ12

ん…あったかい


誰かにおぶられているのか、体が上下に揺れている


あぁ、そうだ昴くんと飲んでて酔って寝ちゃったんだ迷惑かけちゃったなあ



じゃあ今私、昴くんにおぶられてるの？



私はガンガンする頭を背中に預け、痛みで目を閉じたまま昴くんに話しかける



『昴くん迷惑かけちゃってごめんね』



そう言うと、さっきまでスタスタ歩いていた足をピタッと止めてしまった



不思議に思い目をゆっくりと開けると、昴くんの髪の毛とは全然違うクリーム色の髪の毛があった



そして私をおぶったままこちらを振り返った昴くんではない人のムスッとした顔と目が合う



その人は、間違いなく私の好きな零だった



「なんだ起きたのか、なら自分で歩けさっきからずっと重くて潰れるかと思ってたからな」



なによコイツ…



『なんで昴くんが零に変わってるか知らないけど自分で歩くから早く降ろして』



私は零の背中の上でそう言いながら暴れた



零に「暴れるな」と怒られるが、何故か私を持っている手は離そうとしない



『おろしてよ、手離してくれないと降りれないじゃん』



「…冗談に決まってるだろ、酒弱いくせにそんなになるまで飲むな…家くらい送ってやるから大人しくおぶられてろ」



零の声は、照れているのか最後になるにつれ小さくなっていった



私は零の背中に身を任せ



『わかった、お願いします』



と聞こえるか聞こえないかくらいの声で言い、顔が熱いのは酔ったから、と自分に言い聞かせて目を閉じた

真逆12→←真逆10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す