儚さと美しさ

山田side ページ5

(山田side)

雑誌の撮影の日。

Aが楽屋に来たかと思えばすぐにマネージャーに呼び出されていた。

Aを呼びに来たマネージャーの様子から、悪いことではないのだろうとは感じてほっとした。

何故って？Aは、デビューしてかなり経った今でも「女の子だから」という理由で多くの批判やバッシングを受け続けていて、とても心配だから。

Aは今まで、どんなことがあっても自分にできる精一杯の努力をしてきた。「女の子だから」という理由での言い訳は一切してこなかった。
そんな、素直で、一生懸命なAだからこそ先輩からも後輩からも慕われているんだろう。

だけど、Aは1人で何でも抱えこみやすい。
デビュー当時は過呼吸になったこともあれば、倒れたこともある。そんな時でも彼女は心配をかけまいと俺たちを頼ろうとしなかった。

だからこそ、昔話し合って男9人で決めた。「Aは必ず守る」ことを。

そんなこともあり、今日Aがマネージャーに呼ばれた時は少し警戒してしまっていた。きっと9人みんなそう。
数分して帰ってきたAに「大丈夫だった？」と俺が聞いたのは、心配だったから。

楽屋に帰ってきたAは元気そうだったから安心した。ドラマの主演だって。俺まで嬉しくなっちゃった(笑)それくらい、Aは大切な存在なんだよ？

これから先、何があっても彼女は俺達が守るんだ＿

悲劇という運命 4→←悲劇という運命 3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す