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第1章*6話 ページ8

次の休日に家族で旅行という名目で2人を孤児院に連れて行くことになった。


環と理は久しぶりの旅行のため、すごく嬉しそうではしゃいでいた。それを見て、微笑ましい気持ちと罪悪感で胸が苦しくなる。


しかし、それも2人のため。




ついにその日が来た。やっとこの痛み、苦しみから解放される。でも2人の兄弟を失うことになる。

しかし、2人には真っ当な人生を送ってほしい。こんな家にいてはそれは不可能。


やるしかない。腹をくくった。



今日は朝早くに起きて、兄として最後にできることとして、心を込めた弁当を作った。


そうだ、2人の大好きな王様プリンを大量に入れておこう。


いよいよ出発だ。


環「オレ、みんなでお出かけすんの、楽しみ!」

理「私も私もー!」


ふたりははしゃぎながら車に乗り、俺は弁当を積んで助手席に乗り込んだ。


今すぐにでも計画に移したいが、環と理に会えるのも今日で最後ということもあり、みんなでピクニックに行くことになった。




着くとそこは公園も備わっていた。午前中は公園で遊び、お昼は木陰で俺が作った弁当を食べよう。

遊び疲れ、お昼の時間になった。2人は好物ばかりの弁当を美味しそうに食べてくれた。


その笑顔や仕草、声を聞くのも今日で最後かと思うと涙が出てきた。それを隠すように俯いていると、2人が心配してくれた。


環「Aにーちゃん、お腹、痛いの?」

理「にーちゃん、大丈夫?」


その優しい2人の言葉でよけいに涙が溢れてきた。涙をぬぐいながら


『大丈夫!2人が俺の作った弁当、喜んでくれたから嬉しくてな。腹一杯食べな。デザートもあるぞ。』


と答えた。その時、冷たい視線を感じた。ギクリとし、父さんの方を見ると黙々と弁当を食べている。


気のせいだったのかな。




2人の食べてる顔を眺めてたら環が一口だけ俺にプリンを食べさせてくれたんだ。


あの環が大好きな王様プリンをくれるなんて、成長したことに感動し、頭を撫でながらありがとうと言った。


今までの感謝も込めて。


すると理も撫でて欲しいらしく、環の横に来た。それが可愛くて2人を思い切り撫でた。




これで最後。父さんに怪しまれてしまうからもうこんなことはできないし、これからは赤の他人になる。



《ごめんな…そしてありがとう…》



と心の中で伝え、2人を目一杯抱きしめた。

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琥珀 - 面白いです!!次のの更新遅くても待ってます! (2016年9月19日 20時) (レス) id: 644796dea0 (このIDを非表示/違反報告)
蘭華(プロフ) - 輪廻さん» お久しぶりです!いつもいつもコメントありがとうございます(´;ω;`)ウッ…更新遅くなってしまい、すいません(汗)応援ありがとうございます!頑張ります! (2016年8月31日 19時) (レス) id: 266261163a (このIDを非表示/違反報告)
輪廻 - お久しぶりです! 八乙女社長の優しさに泣きました。 これからも頑張ってください!続き待ってます(^ ^) (2016年8月30日 23時) (レス) id: 3299528793 (このIDを非表示/違反報告)
蘭華(プロフ) - 輪廻さん» ありがとうございますううう(´;ω;`)ウッ…頑張ります! (2016年8月26日 18時) (レス) id: 266261163a (このIDを非表示/違反報告)
輪廻 - 続き楽しみにしてます! 頑張ってください!(笑) (2016年8月26日 3時) (レス) id: 3299528793 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蘭華 | 作成日時:2016年7月11日 21時

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