第二十二話 ページ24
泉鏡花side
僅かに首に触れる爪が冷たい。
「終わりだ」
そう言われて、彼を見る。
「この能力を止めて爆弾の場所を教えろ」
教えろと言うのなら……
「私の名は鏡花。35人殺した。一番最後に殺したのは3人家族。父親と母親と男の子。夜叉が首を掻き切った」
ぐっと着ている着物の襟を緩め、中を見せる。
爆弾は、私に巻いてあった。
「君は……何者なんだ。言葉からも君自身からも何の感情も感じない。まるで
言葉にしてくれ。望みがあるなら言葉にしなきゃ駄目だ。」
望み………?
私の、望み、は……………………
「こんな事が本当に君のしたいことなのか?」
違う。
私が、したいことは…………………
その時、アナウンスが流れた。
私と一緒にこの電車に乗り込んでいた、最初にアナウンスをした男の人とは違う、女の人の声がする。
それを聞いて、彼は、私に爆弾の非常時停止
もしかしたら。
この人なら。
きっと……
私が渡した釦を彼が押す。
ピッ
…………え?
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作者名:安蒜 佑 | 作成日時:2020年3月11日 22時