5.生贄 ページ5
「今日もここに居たのか。」
振り返るとぼんさんが呆れ顔で苦笑を浮かべていた。
図書館の虫となった私は片っ端から読み漁り、この混沌に終止符を打つ解決策を探し求めていた。
オラコ姫が生贄にならず、ぼんさんを止める手掛かりを。
「私を殺れば事が済む話だろうに、何故君はその手段を選ばない？」
そんなの決まっている。
共に過ごすうちに情が移ってしまったからだ。
この広大な城の中でひとりぼっち。
世界でも数少ない孤独な魔術師。
こんな人を放っておけない。
「物好きだな。まあ、精々足掻くといい。」
高笑いを残し、いつものように姿をくらます。
テーブルの上には、先程までは無かった温かい紅茶が置かれていた。
調べる内に候補は2つ浮かんだ。
ひとつは、ドラゴン復活を諦めさせること。
魔術界の復活が彼の目的ならば、ドラゴン復活は差程重要では無い筈。
寧ろ、オラコ姫を魔術師にする方が野望への近道ではなかろうか。
しかし以前、ぼんさんに伝えてみたが首を横に振られてしまった。
「魔術界の復活にはドラゴンは欠かせない。我々の力を世界に見せしめるのだ。」
そう呟く彼の表情は少し暗かった。
もうひとつは、オラコ姫の代わりに私が生贄になること。
私には魔力は無いが、もし魔力を宿す方法があるとするならば…
「駄目だ。」
説明の途中でぼんさんに遮られる。
険しい表情を浮かべる彼に、私は理解出来なかった。
代わりに私を生贄にしてドラゴンを復活させた暁にはドラゴンが国を襲わないよう躾をすることを条件に出すと、呆れた様子を見せた。
「犬じゃないんだから…」
でも、大魔術師ぼんじゅうる様だったら不可能なことはないのでは？
と、おちょくると眉がピクリと動いた。
「そうだとも！私は偉大なる大魔術師ぼんじゅうる！！不可能なことは無い！！！」
高らかに笑う彼を遠目に、辿り着く未来が平和であることを願わざる負えなかった。
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〇(ﾏﾙ)(プロフ) - レーニャンさん» ありがとうございます(。-∀-)魔法に気付くのはいつになることやら…？✨️ (2023年2月5日 11時) (
レス) id: e325756d6a (このIDを非表示/違反報告)
〇(ﾏﾙ)(プロフ) - カシスオレンジさん» ありがとうございます！ゆっくりですが更新していきますので、引き続きお楽しみ下さい!!(*´∀｀*) (2023年2月5日 11時) (レス) id: e325756d6a (このIDを非表示/違反報告)
レーニャン(プロフ) - ぼんさん、魔法に気付いてくれるかなぁw？ (2023年1月16日 20時) (レス) @page21 id: b30d9de8f4 (このIDを非表示/違反報告)
カシスオレンジ(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます✨😍とてもドキドキワクワクさせてもら いました🍀短編集楽しみにしてます！ (2023年1月15日 8時) (レス) @page16 id: 9bde19bddf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：〇(ﾏﾙ) | 作成日時：2023年1月14日 0時
