後日譚:掌 ページ26
※夢主不在
絵に描いた様な平和な国、ベリンゲイ。
しかし、豊かな国に目が眩み欲に溺れた敵国が水面下で迫っていた。
とある敵国のスパイは、兵士とメイドに扮し城へと潜入した。
意図も容易く紛れ込んだことに、平和ボケした国だと嘲笑った兵士は国王の首を狙った。
背後から近付き、剣を振るう。
しかし、僅かのところで身体がピタリと止まった。
動けなくなった。まるで金縛りのように。
「ぼんさん、ご苦労様。」
前を見据えたままの国王の一声に、兵士の影からゆらりと姿を現した魔術師は溜息をついた。
「王様、ダメでしょ。こんな簡単に侵入を許しちゃ。」
国王の笑い声に、兵士は青ざめ歯をガチガチと鳴らした。
声が出せない。
許しを乞う事も疑問を唱える事も出来ない彼は、自分の結末に震えて待つことしか出来なかった。
一方、仲間の身の危険を知る由もないメイドは姫の就寝を虎視眈々と伺っていた。
この国の王と王子が溺愛する姫君を囮とすれば、国は傾くと企て高を括っていた。
深い夜が訪れる。
音を立てず忍び込む。
暗闇に刃がギラリと怪しく光り、メイドはほくそ笑んだ。
しかし、振り下ろすとキィンと金属が交わる音が響き布団の膨らみからおらふ王子が飛び出した。
「父上の言ってた通りだ。」
動揺するメイドの鳩尾に衝撃が走り、意識が飛んだ。
闇夜が深まり、森に怪しい動きが見える。
敵国の兵隊が奇襲を掛けようとベリンゲイへと向かっていた。
既にスパイを潜り込ませ内部は壊滅状態だと足取り軽く歩んでいた。
すると、残像が浮かぶ風が兵隊の中を駆け抜け次々と兵士達が膝から崩れていく。
次々と倒れる仲間の姿と暗闇での不可解な出来事に、戸惑い恐怖のあまり悲鳴を上げ錯乱する。
更に、地響きと共に彼等の頭上に影が迫っていた。
流星群が雨の如く降り注ぐ。
森に穴が開き、跡形もなくなった光景を二つの影が見つめていた。
「ねこおじ、殺意高すぎ…」
「歳を取ると、手加減出来んのよ。」
後日、城下町では敵国が壊滅したと号外が出回った。
心優しい国王は行き場を失った難民を迎え入れた。
国民は口々に唱えた。
「心優しい国王」と。
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〇(ﾏﾙ)(プロフ) - レーニャンさん» ありがとうございます(。-∀-)魔法に気付くのはいつになることやら…？✨️ (2023年2月5日 11時) (
レス) id: e325756d6a (このIDを非表示/違反報告)
〇(ﾏﾙ)(プロフ) - カシスオレンジさん» ありがとうございます！ゆっくりですが更新していきますので、引き続きお楽しみ下さい!!(*´∀｀*) (2023年2月5日 11時) (レス) id: e325756d6a (このIDを非表示/違反報告)
レーニャン(プロフ) - ぼんさん、魔法に気付いてくれるかなぁw？ (2023年1月16日 20時) (レス) @page21 id: b30d9de8f4 (このIDを非表示/違反報告)
カシスオレンジ(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます✨😍とてもドキドキワクワクさせてもら いました🍀短編集楽しみにしてます！ (2023年1月15日 8時) (レス) @page16 id: 9bde19bddf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：〇(ﾏﾙ) | 作成日時：2023年1月14日 0時
