bn.番外編:悪夢-side- ページ23
「ぼん、ごめんね。」
母は悲しい顔をして、私を抱きしめた。
父は隣国との戦争に駆り出され、そのまま帰って来なかった。
魔術師を戦争の道具として扱う癖に魔法を恐れる国に、魔術師は肩身の狭い生活を送っていた。
私もその内の一人で、街へ出れば石を投げられ腫れ物を扱いをされた。
しかし、私には唯一の友人がいた。
街外れの森の中、秘密基地で待ち合わせをしてはよく冒険をした。
2人でなら何処へでも行ける気がした。
いつか、本当に冒険者になろう。
そう約束した。
しかし、ある時。
彼はパタリと来なくなった。
毎日、日が暮れるまで待ったが彼は来なかった。
とぼとぼと帰路につく日々が続く。
ある夜、遂にその時が訪れた。
割れる音、爆発音と共に悲鳴が聴こえた。
騒然とする街を窓から覗くと、黒煙の柱が空へ向かって伸びているのが見えた。
母が勢いよく部屋へ飛んで来たかと思うや否や引きちぎられんばかりに腕を引かれ、裸足で外へと飛び出した。
怒号が背後から飛び交い、恐怖で振り向けなかった。
街を出て騒ぎが遠くなり虫の音だけが響き渡る頃、ようやく足が止まった。
やっと振り返った街の空は、赤く染まっていた。
命からがら逃げて来た他の魔術師が皆泣いている。
母の腕の中で、もう街へは戻れないことを悟った。
私達は魔術師の安息の地を求め、国境の荒地へと向かった。
ふと目が覚める。
遠い記憶の夢を見ていた気がする。
ベッドの縁にはAが突っ伏し、スヤスヤと寝息を立てていた。
起き上がると額から生温くなったタオルが滑り落ちてきた。
魔法が使えない非力な娘の筈だが、重なる彼女の手から伝わる温もりが凍てついた心をほぐし穏やかにする。
彼女をベッドに寝かせて布団を掛け、自分はソファで今一度横になった。
未だ胸の奥に残る温もりを抱いて、睡魔に誘われるまま再び眠りに落ちた。
qn.後日譚-1:本音→←qn.後日譚:ライバル-side-
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〇(ﾏﾙ)(プロフ) - レーニャンさん» ありがとうございます(。-∀-)魔法に気付くのはいつになることやら…？✨️ (2023年2月5日 11時) (
レス) id: e325756d6a (このIDを非表示/違反報告)
〇(ﾏﾙ)(プロフ) - カシスオレンジさん» ありがとうございます！ゆっくりですが更新していきますので、引き続きお楽しみ下さい!!(*´∀｀*) (2023年2月5日 11時) (レス) id: e325756d6a (このIDを非表示/違反報告)
レーニャン(プロフ) - ぼんさん、魔法に気付いてくれるかなぁw？ (2023年1月16日 20時) (レス) @page21 id: b30d9de8f4 (このIDを非表示/違反報告)
カシスオレンジ(プロフ) - 素敵なお話ありがとうございます✨😍とてもドキドキワクワクさせてもら いました🍀短編集楽しみにしてます！ (2023年1月15日 8時) (レス) @page16 id: 9bde19bddf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：〇(ﾏﾙ) | 作成日時：2023年1月14日 0時
