初めて ページ9
──公園の林、心操は初対面の少女に助けられた。
やはり酩菊は自分を代わりにしようとしていたらしく、心操を置いてその本来の相手と去って行ったらしい。
助けてくれた黒髪の少女は自分より低い身長で同い年か年下に見える。
つい、去ろうとした少女の腕を掴んで止めてしまったが自分でも何故そうしたか分からなかった。
｢あっ･･･な、名前っ！名前教えろよっ！｣
そんな言葉しか出てこなくて情けなくなる。
お礼がしたいとかまず言えばいい物を。
『A』
しかし、少女は名を教えてくれると顔を覗き込んできた。
｢な、何？｣
『もしかしてナンパ？』
｢は!?違う、そんなんじゃないからっ!!｣
慌てる心操にAはクスリと笑った。
それを見てからかわれたのだと理解する。
｢その、助けてくれた礼がしたいんだけど｣
『別に気にしなくてもいい、私は自分の意思でここにいるんだから』
笑顔は直ぐに引っ込めて無表情でそんな事をいうA。
｢俺がそうしたいんだよ･･･｣
心操がそう言えば、Aは考える素振りを見せて青い瞳がキラリと光る。
『じゃあデートして』
｢･･････は？｣
『お礼したいならデートして』
心操の返事も待たず、Aは手を繋ぐと迷いない足取りで何処かへ向かう。
──着いた先はアニマルカフェ。
犬や猫、インコにハリネズミ、兎と様々な動物がいる。
A達は丸いテーブルに二人向かい合って座り、Aは兎を膝に乗せて撫で、心操は足元に来た猫と戯れていた。
『ずっと来てみたかったのこの店、一人で来るのもどうかと思ってたから助かった』
｢いや｣
心操は返事も曖昧に猫に夢中になって猫じゃらしを振っている。
『猫好きなんだ？』
｢うん｣
素直に頷く心操にこっそり笑うA。
そこに注文した物が届く。
心操は酩菊と既に食事を取っていたので緑茶一つ、Aは熊の形をしたケーキとミルクティー。
無表情だったAはテーブルに置かれた熊のケーキに目を輝かせ、その姿に既視感を覚える心操。
｢甘い物好きなの？｣
『･･･女は皆好きでしょ』
Aの顔を背けて熊をフォークでつつき口に運ぶ姿が照れ隠しの様で少し可愛いと思った。
緑茶を口にしながら周りに視線を向ける。
可愛い可愛いと口々に言う客はカップルか女ばかりで少し気まずい。
『周り何て気にしなくていいじゃん、恥ずかしい？』
｢あ･･･ごめん。こういう所初めてだから｣
『私も初めてだよ。動物カフェもデートも』
｢え｣
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アマドコロ(プロフ) - 46さん» コメありがとうございます！そう言ってくれると凄く嬉しいです！頑張りますっヽ(；▽；)ノ (2019年12月29日 8時) (
レス) id: b3afbd7d01 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - いつも楽しませてもらってます！イラスト見ました！アマドコロさんが描くミニキャラ個人的に大好きです！色の塗りかたとかも、凄いです！イラストの方も、小説の方も、頑張ってください(*´ω｀*) (2019年12月29日 0時) (レス) id: 06efcbf80c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アマドコロ | 作成日時：2019年10月31日 19時
