施設の記憶2 ページ44
社員の肆暮に連れられ施設に着くと最初に出会ったのは内気そうな少女と無愛想な男。
｢は、反月菜乃です、よろしくお願いします｣
｢闇馬淳だ｣
Aの態度に気を悪くする事もなく少女、菜乃はぎこちない笑顔でそう言い、淳という男は変わらず無表情で名だけ言うと肆暮に向き直る。
｢肆暮、もう行ってもいいか｣
｢あ？用事あんの？｣
｢日課だ｣
そう言えば淳はさっさと外へ出て行き、肆暮はゲラゲラと笑う。
｢お前と似て愛想ねぇだろ？｣
｢覚さんっ･･･！｣
Aは特に気にせず話も流しつつ、肆暮に施設長の元へ案内される。
部屋の中は本がズラリと並びその中心のデスク
に施設長らしき人物が座っていた。
｢ようこそ維応君｣
黄緑色の長い髪に中性的な顔立ちの人物で、声を聞いてやっと男性だと分かるほど綺麗な人物だった。
｢私が施設長の世実です、来てくれて嬉しいです歓迎しますよ｣
『どうも･･･』
肆暮は｢俺の仕事はここまでな｣と言うとさっさと部屋から出ていき、施設長と二人きりになる。
｢さてこの施設について説明しましょう｣
向かいの椅子に座らされ説明を受けた。
ここは詳しく言うと養護児童グループホーム。
子供定員6人、職員は4人。
年齢層は6歳から18最初までと幅が広く、衣食住が揃っており普通の生活を過ごせるように整えられているらしい。
学校にも行きたければ行き、職に着きたければその活動もサポートしてくれるという。
｢ここまでで聞きたい事は？｣
聞きたい事は無い。
これからの事、先の事など興味が無かったから。
でも、形だけはと疑問に思った事を口にしてみた。
『何故私をここに入れたの？私病気でも何でもないのに』
｢ここはね普通の施設とは違い私一人の意思と判断で子ども達を選び迎え入れているんだよ。勿論本人の意思込みだが｣
『どういう事？』
｢君はずっと死の事ばかり考えているんだね｣
唐突な発言に耳を疑う、いや病院にいた理由を知っていればその発言も頷ける。
そうやって何か誘導しているのだろうか？
自分をどうしようと言うのか。
｢君は疑り深い、私はただ君の心を覗いているだけだよ｣
『は？何言って』
｢私の個性は【読心術】、見ようと思えば幾らでも人の心を見れるんだよ｣
ゾッとし、Aは椅子から立ち上がり警戒して世実から後ずさる。
｢勝手に覗いて済まないね、でも改めて知る必要があったから｣
世実は悲しげで優しい瞳で笑う。
｢ここに居る子は皆一度は死を選んだ子達なんだ｣
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アマドコロ(プロフ) - 46さん» コメありがとうございます！そう言ってくれると凄く嬉しいです！頑張りますっヽ(；▽；)ノ (2019年12月29日 8時) (
レス) id: b3afbd7d01 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - いつも楽しませてもらってます！イラスト見ました！アマドコロさんが描くミニキャラ個人的に大好きです！色の塗りかたとかも、凄いです！イラストの方も、小説の方も、頑張ってください(*´ω｀*) (2019年12月29日 0時) (レス) id: 06efcbf80c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アマドコロ | 作成日時：2019年10月31日 19時
