可哀想な心操 ページ41
─夏休みに入り心操は早めに課題を済ませようと朝から取り組んでいた。
朝の鳥のさえずりと犬が吠える声が遠くで聞こえる。
そうしていくつか終わらせ体を伸ばし時計を見るとお昼過ぎになっていた。
親は出掛けており今家には心操一人きり、冷蔵庫の中を確認するが特に何もない。
よく見ればテーブルに｢これで何か食べて｣と言う手紙とお金が置かれていた。
財布を手にコンビニへ行き、唐揚げと鮭のおにぎりを買い、そろそろ無くなりそうだったシャーペンの芯も買うと外へ出た。
『おーい、心操！』
｢･･･他山？｣
振り向くとクラスメイトの女子生徒、他山がこちらに駆け寄って来る。
『偶然だね、あたし今クラスの奴らとカラオケ行くんだけど一緒にいかね？』
｢あー･･･いや、遠慮しとくよ｣
行けなくも無いがあまり気分が乗らなかった。
断ると他山はいきなり腕を掴んだ。
『釣れないこと言うなよ！普通科の星！ほら！』
｢っ！おい!?｣
他山は無理矢理に心操を引っ張りずんずん進み出し、抵抗したが諦める様子は無く、心操の方が逃げる事を諦めた。
｢お前強引過ぎだろ｣
『へへ、心操どうしても連れて行きたかったんだよ』
｢俺昼ご飯買ったんだけど｣
『大丈夫！持ち込みOKのカラオケだから！』
｢他誰いんだよ？｣
『山田だろ、土田に間、×××に･･･』
割と大人数らしい。
クラスのグループLINEではそんな話はしていなかったが。
『心操は何してたんだよ？』
｢宿題｣
『まっじめぇー！』
そうして雑談しつつ歩いていく内に人気のない方へ移動しているのに気付く。
｢なあ、こっちカラオケないけど｣
『待ち合わせがこっちなんだよ』
｢こんな所で？
大通りの方が目印になるのあるだろ｣
『さぁ･･･どうしてだろうな？』
歩みを止めずこちらは一切見ないで答える他山に心操の不安が大きくなる。
｢なあ──｣
心操の言葉は最後まで言い終わる前に横からの衝撃で掻き消え倒れ込む。
突然蹴りを入れてきたのだ。
｢っ!?な、に──｣
容赦なく次は腹を蹴られ、咳き込み腹を抱えた心操に他山はハンカチを取り出し髪を引っつかむと顔を上げさせそれで口を塞ぐ。
心操は必死でもがき他山を突き飛ばして立ち上がるが意識が朦朧としてきた。
『よく推理もので見るでしょ？ハンカチに染み込ませた何かを嗅がされて意識を失うシーン』
動けなくなった心操を他山が哀れんだ顔で眺めていた。
『あれ、クロロホルムって言うんだよ』
その言葉と同時に心操は倒れた。
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アマドコロ(プロフ) - 46さん» コメありがとうございます！そう言ってくれると凄く嬉しいです！頑張りますっヽ(；▽；)ノ (2019年12月29日 8時) (
レス) id: b3afbd7d01 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - いつも楽しませてもらってます！イラスト見ました！アマドコロさんが描くミニキャラ個人的に大好きです！色の塗りかたとかも、凄いです！イラストの方も、小説の方も、頑張ってください(*´ω｀*) (2019年12月29日 0時) (レス) id: 06efcbf80c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アマドコロ | 作成日時：2019年10月31日 19時
