選択肢はない ページ39
─｢俺は知らないが先生なら何か知ってるかもな｣
恋歌の事を聞くと何か心当たりがあるのか死柄木はニタリと笑ってみせる。
『先生に･･･』
オール･フォー･ワン、本当か定かではないが黒霧から聞いた話では超常黎明期から存在し“悪の支配者”として君臨していたとか。
死柄木の所へ来て1度会話した程度であまり話した事はない。
｢で、質問は終わりか？｣
『うん･･･』
｢じゃあ今いい事を思いついたんだが、ここで聞くか？｣
『何？』
特に何も考えずに頷くと死柄木がニヤリと笑った。
｢【洗脳】だったよなあのガキ？｣
その言葉にAはヒヤリとした。
思い付くのは一人しかいない。
何故今心操の事が出てくるのか。
｢良い個性だよな、是非仲間に欲しいよな？｣
頭を傾げて此方を見る死柄木にどう答えるべきなのか分からず困惑する。
｢お前アイツと仲良いんだろ？｣
『違う･･･ただの客と店員で･･･』
｢私服でさっき会ってただろ？｣
『あの時は偶然会っただけで･･･』
何故こんなにも後ろめたさを感じ、自分は言い訳しているのだろう。
｢丁度良いからお前が誘い出して連れてこいよ俺達の所へ、“敵側”へ｣
『無理だよ･･･あいつはヒーロー科落ちて、それでもヒーローになろうと今も努力して･･･』
変な汗が出てくる、Aは震える手に爪をくい込ませ死柄木から視線を合わせられずにいる。
｢分からないだろ？｣
そんなAに死柄木は近づき腕を掴み此方に顔を向かせた。
｢連れてこいA｣
拒否権は無い。
Aは下唇を噛み俯き、死柄木は掴んだ腕を離しその掌に自分のスマホを握らせた。
｢準備が出来たら知らせろ、黒霧にゲートを使わせる･･･早く帰ってこいよ｣
そう言って死柄木はAの髪を4本の指で器用に触れて去って行った。
“帰ってこい”と言われた、自分は死柄木にまだ必要とされているのだ。
Aは手の中にあるスマホをぼんやりと眺めながら心操の姿を思い浮かべ乾いた笑みを作る。
『さっき振られたのになぁ･･･』
これからする事は心操を傷つける事だろう。
でも死柄木が望んでいる事なんだ。
もしAがこれを断れば他の誰かが心操を攫おうとして殺されかねない。
私は弔の力になりたい、弔の役に立ちたいんだ･･･だから･･････
ごめん、ごめんね心操･･･。
『お願いだから抵抗しないでね･･･私は何も失いたくないの･･･』
Aはスマホを持ったまま両手で顔を覆い声が震えた。
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アマドコロ(プロフ) - 46さん» コメありがとうございます！そう言ってくれると凄く嬉しいです！頑張りますっヽ(；▽；)ノ (2019年12月29日 8時) (
レス) id: b3afbd7d01 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - いつも楽しませてもらってます！イラスト見ました！アマドコロさんが描くミニキャラ個人的に大好きです！色の塗りかたとかも、凄いです！イラストの方も、小説の方も、頑張ってください(*´ω｀*) (2019年12月29日 0時) (レス) id: 06efcbf80c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アマドコロ | 作成日時：2019年10月31日 19時
