見舞いの品 ページ28
─白崎さんが入院したと学校のHRで言われた。
HRでは詳しくは話されなかったがニュースにもなっていてクラスメイト達の半分は知っていた、勿論心操も。
放火殺人によるものだ。
両親は亡くなり、生き残ったのは白崎恋歌だけ。
あまりの事に誰もが最初黙り込んだ。
それを知った時、心操は避けていた事を後悔した。
前の様に一緒にいれば何か気付けたかもしれない、LINEは知っているのだから連絡を取れば良かったかもしれないと。
そんな事ばかり頭に浮かび授業も上の空、これでは駄目だと心操は決意する。
もう後悔したくない。
放課後になると担任に入院先を聞き出し、休日見舞いに向かう。
だが、当日になって見舞いの品という物を思い出し慌てた。
見舞いと言えば･･･暇つぶしになる物や花、好きな物か？
好きな物で真っ先に甘い物、ケーキが浮かんだ心操はケーキ屋に向かうがこの日は休日、昼過ぎだ。
何でこんなに居るんだよっ･･･。
店内は店員も客も若い女性ばかり。
尻込みしてしまう心操。
他のケーキ屋も見たがどこも女性客で埋め尽くされている。
ならば花にしようと花屋に行くがそこも同じ様に女性ばかり、腹を括るべきかどうしようかと思っていると。
奥の大通りから離れた道、そこから花を手にした男が歩き去っていく。
スマホで調べると小さな花屋がそちらにも存在していた。
心操はこれで最後だと決めて足を進めた。
─花店は大通りから外れているからか花はあっても客は1人も居なくガランとしていて静かなものだ。
中には一人、エプロン姿の女性店員が此方に背を向け花や水の入れ替えをしていた。
無意識に手が首に行く。
｢あの、見舞いの花が欲しいんですけど｣
『はい、何か要望はござ──』
何処かで聞いた事のある声。
赤い眼鏡から覗くライトブルーの瞳が大きく見開かれる。
何だ？
･･･いや待て、背の低い黒髪で青い瞳って･･･。
つい最近の出来事を思い出しその名を口にする。
｢･･･あんたもしかしてA？｣
『いらっしゃいませ･･･雄英の心操』
初めて会った時と雰囲気が大分違った。
最初は明るい色のニットの服に花柄スカートだった。
今は長い髪は緩く三つ編みに、服装も灰色のタートルニットに黒のデニムと全体的に暗い。
店員としての貼り付けた様な笑顔を向ける姿が白崎恋歌と被ったが頭から振り払う。
｢あんたここで働いてんの？｣
『ええ、社会人だもの』
｢社会人？今幾つ？｣
『19歳』
予想外の言葉に今度は此方が驚いた。
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アマドコロ(プロフ) - 46さん» コメありがとうございます！そう言ってくれると凄く嬉しいです！頑張りますっヽ(；▽；)ノ (2019年12月29日 8時) (
レス) id: b3afbd7d01 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - いつも楽しませてもらってます！イラスト見ました！アマドコロさんが描くミニキャラ個人的に大好きです！色の塗りかたとかも、凄いです！イラストの方も、小説の方も、頑張ってください(*´ω｀*) (2019年12月29日 0時) (レス) id: 06efcbf80c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アマドコロ | 作成日時：2019年10月31日 19時
