客 ページ22
──住込みの花屋の前にエンデヴァーが立っていた。
見た瞬間心臓が止まるかと思ったがどうにか平静を装い店員として彼の元に行く。
保須では仮面を付けていた、下手をしない限り気付かれないだろう。
『いらっしゃいませ、何かお探しですか？』
気持ち高めに声を意識して営業スマイルで話しかけるとエンデヴァーは少し気まずそうに視線を逸らした。
｢いや、通りがかりに見ていただけだ。邪魔をしたすまない｣
それだけ言うとさっさと行ってしまうエンデヴァーに不思議をに思ったAはエンデヴァーが見ていたであろう花に目を向けた。
『リンドウ･･･？』
店の正面には少ないが季節の花々を飾っておりその内の一つ、青と白のリンドウ。
リンドウに思い出でもあるのだろうか･･･。
店長に呼ばれAは休憩もそこそこに仕事に戻った。
｢お前花詳しいな？あんま聞き慣れない花言われたりしてっのに間違えねえ｣
仕事中、客が居なくなると店長がそう話しかけてきた。
『幼い頃に興味があって少し知っているだけです』
｢いやぁ、ど素人よりか使える奴で助かるよ。この調子で頑張ってくれ新人｣
豪快に笑ってAの背中を叩く店長に鬱陶しく思いながらも雇われた身だ、大人しくされるがままになった。
暗くなり始めた頃男の客が一人きた。
｢予約した
『鬼灯ですね？』
｢奴加豆支だ｣
ああ、薬の方の客だ。
『少々お待ち下さい』
鬼灯の別名は奴加豆支。
このやり取りは裏の仕事の合言葉で花言葉もぴったりな“偽りと誤魔化し”だ。
｢そっちの客は俺が対応すっからお前は花の方だけ頼むな｣
薬については店長が基本直接対応、奥に行って戻ると手には膨らんだ橙色の鬼灯がなる一本、客に渡すとそのまま去っていく。
『ありがとうございました』
｢お前もっと笑えねえの？辛気くせぇよその顔｣
『･･･その顔で笑っても、店長の場合客遠のきそうですよね』
｢お前毒舌だなぁ！｣
そんなやり取りをしつつ、この仕事を始めて数日経った頃。
｢あの、見舞いの花が欲しいんですけど｣
『はい、何か要望はござ──』
後ろから話しかけてきた客に振り向けばそこには私服姿で右手で首に触れる心操が立っていた。
不自然に固まるAに心操はまじまじと見つめてから彼も気付く。
｢･･･あんたもしかしてA？｣
『いらっしゃいませ･･･雄英の心操』
よく一度しか会ってないのに気付いたなと思いながら作り笑いを浮かべるA。
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アマドコロ(プロフ) - 46さん» コメありがとうございます！そう言ってくれると凄く嬉しいです！頑張りますっヽ(；▽；)ノ (2019年12月29日 8時) (
レス) id: b3afbd7d01 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - いつも楽しませてもらってます！イラスト見ました！アマドコロさんが描くミニキャラ個人的に大好きです！色の塗りかたとかも、凄いです！イラストの方も、小説の方も、頑張ってください(*´ω｀*) (2019年12月29日 0時) (レス) id: 06efcbf80c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アマドコロ | 作成日時：2019年10月31日 19時
