亀裂 ページ2
最早、自分が何をしたいのかすら分からない。
──『好きな人の代わりにしてたの』
冷たい笑顔を浮かべてAがそう言うと心操は驚いた顔で硬直していた。
『彼も個性で悩んでたし、ヒーローに憧れてた。でもやっぱり別人だね、全然心が満たされないの。疲れるの』
慕っていた“あいつ”を思い出して。
そう自分に言い聞かせて早口になるA。
『もう話しかけて来ないで』
そう言い切り背を向け去る。
心操は最後まで何も言っては来なかった。
体が寒くて痛くてしょうがない。
心操は言われた通りにしているのか、その後話をする事なく一日が終わる。
自分はただ情報を得るための“
始めから関わるべきではなかった。
──敵連合のBARにて
死柄木はカウンターでトランプをピラミッド状に組み立てていた。
てっぺんまで立てた所でBARの扉が開きチラリと横目で見ればそこにAが立っていた。
Aはそのまま死柄木の元まで真っ直ぐ来ると死柄木に首に抱きつく。
｢A？｣
名前を呼ぶとAは笑う。
『よう死柄木ぃ、会いたかっぜ』
｢お前･･･｣
その歪に歪んだ笑み、その言葉を口にしたAに眉をひそめる死柄木。
あの時、死柄木を殺そうとした時と同じ笑み。
｢久々だな、気持ち悪いから触るなお前｣
『何だよ冷てえな死柄木。俺はお前をこんなにも愛してるのに』
｢殺すぞ｣
腕を広げてケタケタ笑うA。
死柄木は心底不快そうに首を掻きながらAを睨みつけた。
イラついた死柄木の動きにトランプのピラミッド達はバラバラと崩れ落ちる。
『冗談だよ、んな怒んなって』
｢何の用だよ、Aは？｣
｢俺もAだってーの｣
｢俺の質問だけ答えろ｣
死柄木の手にあったトランプが砂のように崩壊して行く。
『はいはい、用はそうだな･･･死柄木お前、Aの事好きなのかよ？』
｢は？｣
突然の内容に死柄木はキョトンとする。
『好きなんだろ？だから傍に置いてんだろ』
｢･･･何企んでるんだお前？｣
死柄木の訝しげな顔に嬉しそうに口の端を吊り上げるAは悪意に満ちていた。
『あいつはお前と同じ好きじゃねぇよ、あいつは変わらない何かが欲しくて傍にいるだけだ』
｢黙れよ｣
『あいつはお前何て見てねぇんだよ』
｢消えろっ!!｣
死柄木の荒らげた声にクスクスと笑ってAは｢またな｣と言うとBARから出て行く。
死柄木はがりがりと首を掻きむしり傍にある物を片っ端から壊す
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アマドコロ(プロフ) - 46さん» コメありがとうございます！そう言ってくれると凄く嬉しいです！頑張りますっヽ(；▽；)ノ (2019年12月29日 8時) (
レス) id: b3afbd7d01 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - いつも楽しませてもらってます！イラスト見ました！アマドコロさんが描くミニキャラ個人的に大好きです！色の塗りかたとかも、凄いです！イラストの方も、小説の方も、頑張ってください(*´ω｀*) (2019年12月29日 0時) (レス) id: 06efcbf80c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アマドコロ | 作成日時：2019年10月31日 19時
