reason .

ラウールside ページ4

めめ、どこにいるかなぁ


部屋から一番近くのトイレに向かって歩く。


SnowManは、優しいお兄ちゃんがいっぱい。

こんなに経験の浅い僕を受け入れて、一緒に
頑張っていこうって言ってくれる。



これからもっともっと頑張って、この優しい
お兄ちゃん達を驚かせたい。


僕はまだ未成年で、グループの中では圧倒的な
歳下で最年少メンバーだけど、僕の次に歳下な
メンバーのめめ。


見た目はしっかりしてて、クールで真面目そうだけど
ちょこっとお勉強が苦手で、漢字やローマ字が
読めなかったり、計算が苦手。

意外とぽやっとしてることも多いけど、男気も
溢れる頼れるお兄ちゃんの一人。



僕が危ない練習方法をやっていると、本気で
向き合って怒ってくれる。褒めるところは
しっかり褒めてくれる。そんな真っ直ぐなめめが
僕は大好き。これからもずっと。



そんなことを考えていると、トイレに人影がある
のが見えた。


「 めめ！見ーっけ！ねぇ、今日康二くんと
3人でご飯にいか… 」



ない？


最後までこの言葉が言えなかったのは、

洗面台でめめが小さく咳をしながらしゃがみ込んでいたから。




「 …め、めめ？！っ、だ、大丈夫？！
どうしよ、ぼく、えっと… 」



咄嗟にめめのもとにむかって声をかけるけど、
こういう時どうしたらいいか分かんないよー…



目黒「 …っ、げほっ… ら、らう？
だいじょーぶ、だから。気にすんな 」


「 どこかきつい？めめ、レッスンの時は普通に
元気そうだったじゃん… 」


めめの背中をゆっくりとさすりながら
そんなことしか聞けない僕。


洗面台を見るとそこには、少しだけど
戻したあとがあった。体調が悪いのかな？



目黒「 … ほんと、だいじょうぶ、だから。
このこと、メンバーには言わないで。
俺はほんとに大丈夫だから。」



真っ直ぐ見つめられたあと、少しだけ弱々しく
めめが笑った。


めめ、そんな笑い方してたっけ？



「 …わかった、だけどこの後の撮影で
きつくなったら、僕だけにはちゃんと言ってよね 」


うん、と頷いためめ。ふらっと立ち上がるもん
だから、慌てて支える。


鏡を見て、口元をゆすいでから小さく
よし。っと一言だけつぶやいためめ。


目黒「 いこうか、ラウール。みんな待ってる 」


そう呟いて歩き出しためめの後ろ姿は、
なんとなくいつもと違って見えた。



この時、めめのことを思って誰にも言わない
選択肢を取った自分に、後からあんなにも
後悔するなんてー

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