【サーヴァンプ】うちの椿さんが小さな女の子を連れて来たんだが、どうすればいいだろうか ぱーと２ｯ!!【憂鬱組】

はじめてのおつかい!! 1 ページ8

｢A、お願いがあるんだ。


―――おつかいに行ってきてくれる?｣


椿の言葉に、Aは表情を輝かせた


―――おつかいを頼まれた子供には、2パターンのタイプがいる


泣いて嫌がる子供と、喜んで意気揚々と行く子供



『おつかいｯ?


いいよｯ!なにをかってくればいいｯ?』

Aは、後者のようだ

泣きついてくる姿を期待していた椿は、少々がっかりする


｢うん。

……いつも一緒に買いに行く、お団子屋さんは分かる?｣

椿がそう言うと、Aは『わかるよｯ』と元気いっぱいに返事をした


｢良かった。……実はそこに大福を買いに行って欲しいんだ

今日のみんなのおやつにね。｣


―――桜哉が提案してくれたシナリオの通りに、椿は話した


〈Aをおつかいに行かせよう〉と提案したのは、桜哉だった。

｢小学校に上がる前に行かせておいた方がいい｣と言う彼の言葉に、椿は初め猛反対したのだが……(もちろん、心配だったから)


『A、がんばっていってくるねｯ!!』

彼女の笑顔を見ると、渋々承諾したかいがあったなとも思う。




『きつねさんもいっしょにいくのｯ』


リュックに、Aはいつも持ち歩いている黒い狐のぬいぐるみを入れた

傍で準備を手伝っていたオトギリが、｢なぜですか?｣と声を掛ける


すると、Aは少しだけ恥ずかしそうに視線を落とした


『―――だって、こうしたらつばきがちかくにいるみたいで、あんしんするの』

その言葉に、椿は完全にハートを撃ち抜かれる


｢ぬいぐるみとは言わず、僕が傍にいるのにｯ!!｣

｢それではおつかいになりません……困ります｣


椿の言葉に、Aは『大丈夫だよｯ』と笑顔を見せた


『Aがんばるからｯ!!

ちゃんと、みんなのおやつかってくるからねｯ』

意気込んでそう話すAの姿に、椿とオトギリは感動で少しだけ泣きそうになった



｢知らない人にはついて行かない。寄り道はしないこと。それから―――｣

『ちゃんとしんごうをわたっていくよｯ!!つばき、なんかいもおなじこといってる〜』

ふふっと笑うAに、椿は苦笑を零す

仕方がない、だって心配なのだから


｢……気をつけて行ってくるんだよ｣

不安げに眉を下げる椿に、Aは『うん!』とにっこり笑った


『いってきま〜すｯ!!』

｢……いってらっしゃい｣

元気良く手を振るAを見送り、椿はすぐさま携帯を手にとった


(｢もしもし桜哉?今そっちに行ったよ｣)
(｢はいはい、了解しましたよ｣)

はじめてのおつかい!! 2→←これからも、ずっと

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す