手を繋ぐ帰り道 ページ48
その姿を見つけた時、放課後一人で校舎から出てきたAの足は一瞬ぴたりと止まった。
校門の柱に寄りかかる、見慣れた黒い和服姿。
黒いサングラスに赤い瞳。
『――――……つばきｯ?』
｢あ｣
Aが声を上げると、それに気がついた椿がこちらを振り返った。
彼は体勢を戻すと、｢おかえり｣と言いながらAに微笑みかける。
｢迎えに来ちゃった♪｣
『つばきとかえるの、はじめてだね!』
手を繋ぎながら帰宅する中、Aが嬉しそうにそう言った。
その様子に椿はさらに機嫌を良くして、｢そうだね｣と返事をする。
｢今日はAをびっくりさせようと思って、頑張って昼前に起きたんだ｣
えっへんと胸を張る椿に、Aは『そうなの?』とおかしそうに笑う。
赤いランドセルについた、ヒガンお手製のストラップがシャラｯと音を立てて揺れた。
｢……そう言えば、Aは誰かと一緒に帰ったりしないの?｣
不意にそう尋ねられ、Aは『へ?』と声を上げる。
｢いや……さっき校舎から出てきた時、A一人だったから。
Aは、友達と一緒に帰ったりしないのかなって｣
クラスの人とか、仲のいい上級生とか。
友人と一緒に下校するのは、自然な事ではないだろうか
そんな椿の素朴な疑問に、Aは『えっと……』と言葉を濁して目を逸らす。
――――その様子が、何だかとても不自然に見えて。
｢……A?｣
椿が名前を呼びかけると、彼女はパッと顔を上げて『あのね、』と声を上げる
『きょうはおともだちのこ、よーじがあるんだっていってたの。
だから、きょうはいっしょじゃないの』
｢用事?ふーん……｣
｢そっか｣と頷いた椿に、Aはにこっと笑顔を見せる。
『あのね、そのこすごいんだよ!!
ピアノのおけいこしてるの。だから、いつもいそがしいんだって』
そう興奮気味に話すAの瞳は、キラキラと憧れに満ちていた。
｢Aも、何か始めるかい?｣
それこそピアノでも、英語でも、何でもいい。
Aがやりたいというなら、好きな事をさせてやりたい
そう思っていた椿だったが、Aは『ううん』と首を横に振る
｢どうして?好きな事をしていいんだよ?｣
『……Aは、おけいこよりもつばきたちとあそぶほうがたのしいもんｯ!!』
そう言ったAの様子からして、冗談ではないようだ
｢……そっか｣
それを聞いた椿は、嬉しそうに目を細めた
(｢僕も、Aと一緒の方が嬉しいよ｣)
(『……うんｯ』)
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暁 瑠卯@ツイ民(プロフ) - つばきゅんさん» ありがとうございます(´∀`)恐らく池のコイは養殖されていたんだと思います…… (2016年8月22日 12時) (
レス) id: d9a84170e9 (このIDを非表示/違反報告)
つばきゅん - コメント失礼します！３５０匹っていったあとのベルのツッコミが面白いと思いました！！ (2016年8月22日 12時) (レス) id: 619b453f13 (このIDを非表示/違反報告)
暁 瑠卯(プロフ) - 華南さん» いえいえｯ!!コメントをくださった上にそんな風に思ってくださって、逆にありがたいですｯ!!(//∇//) (2015年3月12日 20時) (レス) id: 8575e4e560 (このIDを非表示/違反報告)
華南(プロフ) - なんだよ……ただの激カワロリじゃないか……ちょっと椿さん夢主ちゃんについて小一時間語りまs((すいません (2015年3月12日 18時) (レス) id: cbe4b38526 (このIDを非表示/違反報告)
暁 瑠卯(プロフ) - レナレナさん» ありがとうございます!!ベルは子供とか好きなんだろうか……と考えたらなぜかツンデレにwwwこれからもよろしくお願いします(´▽｀*) (2015年3月2日 10時) (レス) id: 8575e4e560 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁 瑠卯 | 作成日時：2015年1月16日 20時
