【サーヴァンプ】うちの椿さんが小さな女の子を連れて来たんだが、どうすればいいだろうか ぱーと２ｯ!!【憂鬱組】

べルとおるすばん!! 前編 ページ44

せっかくの休日だというのに、椿はシャムロックとオトギリを連れて〈おしごと〉に行ってしまったようだ。

桜哉もヒガンもどこかに出てしまったらしい


そんな訳で、その日部屋に残っていたのは……


『ベル、おべんきょうおしえて〜ｯ』

――――べルキアであった。

｢はｧ〜?勉強ｩ?｣

露骨に眉を顰めたべルキアに、Aは『だって〜』と口を尖らせる

その手には、プリントと筆箱が握られていた


『しゅくだいなんだもん……さんすうなの。ベル、もしかしてできない?』

不安げにそう尋ねたAに、べルキアが｢はｧア!?｣と声を上げる


｢それくらいできるしｨ〜!
……どこができないんだよｫ｣

べルキアはやれやれとプリントを覗き込む。
何だかんだと上手く丸め込まれていることに気がついていない


『いけに、3びきのコイがいます。5ひきふえるとなんびきになりますか』

｢……まさかそこからなのｫ?｣

確かに幼稚園に通っていたわけでは無かったが、まさかそこからだとは。

盛大に溜息をついたべルキアを見て焦ったのか、Aは『こ、こたえはかいたよｯ?』と首を傾げる

｢ふーん?じゃあ言ってみなよｫ｣

そう言われたAは『えっとね、』とプリントを見る


『――――350ぴき』

｢随分と増殖させたねｪ｣


どうやら、Aは算数が苦手らしい

『だ、だってさっくんが、"たしざんはすうじとすうじをくっつけるんだ"って』

｢桜哉のやつｩ〜、変な覚え方教えやがってｪ｣

どうやら、原因は桜哉のようだ。



｢……仕方ないなｧ｣

べルキアは突然、自分の帽子に手をかけた。
その様子を、Aははてなを浮かべて眺めている。


｢さｧさｧお立会いｯ!
串刺し公べルキアのマジックショーだよｫｯ!!☆｣

べルキアは急に声色を変えたかと思うと、帽子の中からポンと青い花を咲かせてみせる

『おはなだぁｯ♪』

パｯと表情を輝かせたAに気を良くしたのか、べルキアは｢さｧて問題です☆｣と声を上げる


｢帽子から出てきたこの3つの青い花にｨ〜｣

そう言いながら、べルキアは青い花のAに手渡した

｢こっちの白い花5つを合わせると〜、全部で幾つになるでしょｫ?｣

新たに出された白い花をAはぽかんと見ていたが、ハッとしてすぐに数を数える

『えっとね、1、2、3……

あｯ!8こだｯ!!』

パｯと嬉しそうな顔をしたAは、プリントに答えを書き込むと『こっちはｯ?』と教えを請う


――――今日は、べルキアの算数教室になりそうだ

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