【サーヴァンプ】うちの椿さんが小さな女の子を連れて来たんだが、どうすればいいだろうか ぱーと２ｯ!!【憂鬱組】

ツンデレなベルについて ページ35

『入学式楽しみだなぁｯ』

就寝前、桜哉に髪を梳かしてもらいながらウキウキとAは呟いた


―――待ちに待った入学式が、数日後に迫っている。


Aの様子を見つめながら、椿は溜息をついた

｢そっか……これからは昼間にAはいないんだね。憂鬱だなぁ……｣

｢こればっかりは仕方が無いでしょ。慣れて下さい｣

きっぱりと切り捨てた桜哉は｢よし、出来た｣と言って満足げにAの髪を撫でた

いつもAの髪を手入れするのは、桜哉の担当だ


『えへへ、さらさらになったｯ?』

｢おう｣

桜哉がニｯと笑ってさらに頭を撫でると、Aは『ありがとうｯ』とにっこり笑い返した


『つばき、にゅうがくしきはぜったいにきてねｯ!!』

Aはくるりと振り返ると、ソファーに座る椿にぎゅｯと抱き着いた

｢もちろんだよ。
大切な日だからね、途中で用事が入っても断るよ｣

よしよしと頭を撫でる椿の表情は微笑んではいたものの、桜哉は｢あ。本気で言ってるなこの人｣と心の中で呟いた


｢それにしても……やっぱり寂しいなぁ。

ねぇ桜哉。義務教育なら出席日数とか進級に関係ないよね?｣

｢アンタ、それやったら俺が怒りますよ｣

眉をひそめた桜哉に、椿が｢たまにくらい良いでしょ〜｣と口を尖らせた


｢ベルだって、いつもあんなこと言ってるけど内心はものすごく寂しいんだと思うよ?｣

『ベルが?』

首を傾げたAに、椿は｢うん｣と頷く

｢何だかんだと、Aの事好きですからね、アイツ……｣

横で頷く桜哉を見て、Aは『そうなのかなぁ?』と少し嬉しそうだ


『Aもベルだいすきだけど、いっつもイジワルなんだもん』

そう言って、ションボリと肩を落とす。

｢それは、ほら……ツンデレってやつだよ。素直じゃないよな｣

｢ベルってば、Aに対してはいつもとキャラが違うよねぇ｣

常日頃、椿の隣にいる時は明るい(そして、自分に素直な)キャラだというのに、Aの前だとツンツンするのは、やはり彼女が人間だからなのだろうか


―――人間相手に心を開く事を、認めたくないのだろう


｢……まぁ、態度でバレバレだけどね｣

そう言ってニヤニヤと笑う椿に撫でられながら、Aは『なにがバレバレなの?』と首を傾げるのだった


｢何でもないよ。Aにはまだ難しい話だからね｣

『むー……つばきのいじわる〜』


(｢ｯ、クシュンｯ!!
ハァ〜……誰かボクの噂してないだろうなｧ〜?｣)
(｢知りません……聞かれても困ります｣)

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