時は流れて、春になります ページ24
｢……春だねぇ｣
寒い冬も過ぎ去り、ちらほらと桜の花が咲き始めた頃
椿はいつもの様に散歩しながら、空を見上げる。
その手に引かれながら、Aも『さくらだｯ!!』と嬉しそうに声を上げた
『きれいだね、つばきｯ』
｢ん?……そうだね｣
Aがやってきて、初めての春。
それだけなのに、椿は何故か今年の春がとても特別なものに思えた
｢そうだ、A……ちゃんと学校の用意は進んでるかい?｣
椿の言葉に、Aの表情がパｯと明るくなる
『うんｯ!あのねぇ、オジサンにランドセルにつけるキーホルダー、おねがいしたのｯ!!
きつねさんつばきと、ベルのやつｯ!!』
｢あぁ……ヒガン、器用だからねぇ｣
彼のケータイについた手作りのベルキアストラップを思い出しながら、椿が頷いた
『ランドセル、はやくとどかないかなぁ……♪』
先日、Aのランドセルを買いに行った。
その場で持って帰っても良かったのだが、桜哉が｢あんまり早く買って、もし汚したら大変だ｣と言うので、後日届けてもらう事にしたのだ
今から楽しみで仕方ないらしいAの様子に、椿も顔を綻ばせる
『がんばっておともだちつくるのｯ』
｢……友達、か｣
『うんｯ!!』
人間に興味はないが、Aが毎日を楽しく過ごしてくれるならそれほど嬉しいことはない……が
―――なんだか、妬いちゃうなぁ。
まだ見ぬ、Aの友達に嫉妬心を燃やす椿も相当重症だ
まさか自分が、一人の人間にここまで執着してしまうなんて……
｢でも、まぁ……Aならそれも悪くない、かな｣
『? つばき、なにかいった?』
首を傾げるAに、椿は｢何でもないよ｣と言って笑いかけた
｢ただ、今度みんなで花見がしたいなぁって思って、ね｣
『おはなみｯ?
わぁｯ……A、おはなみしたいｯ!』
キャｯキャとはしゃぐAを見て、椿は意外と嬉しそうな彼女に驚いた
｢……そんなに喜んでくれるなら、やろうか。お花見｣
『ほんとｯ!?やったぁｯ♪』
たのしみだなぁと笑う様子に、椿も嬉しそうに目を細めた
不意に、桜の花びらがAの頭にふわりと落ちてきた。
｢あ。……桜が｣
『えｯ?どこどこｯ?』
｢こっちだよ｣
くすｯと笑って、Aの頭に乗った花びらをとった
『あ……ほんとだぁ』
Aは『きれいだね』、と言って笑う。
桜の花言葉は……貴方の微笑み。
―――今年は、特別暖かな春がやってきそうだ
そんな予感に、椿は自分の胸が高鳴るのを感じた
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暁 瑠卯@ツイ民(プロフ) - つばきゅんさん» ありがとうございます(´∀`)恐らく池のコイは養殖されていたんだと思います…… (2016年8月22日 12時) (
レス) id: d9a84170e9 (このIDを非表示/違反報告)
つばきゅん - コメント失礼します！３５０匹っていったあとのベルのツッコミが面白いと思いました！！ (2016年8月22日 12時) (レス) id: 619b453f13 (このIDを非表示/違反報告)
暁 瑠卯(プロフ) - 華南さん» いえいえｯ!!コメントをくださった上にそんな風に思ってくださって、逆にありがたいですｯ!!(//∇//) (2015年3月12日 20時) (レス) id: 8575e4e560 (このIDを非表示/違反報告)
華南(プロフ) - なんだよ……ただの激カワロリじゃないか……ちょっと椿さん夢主ちゃんについて小一時間語りまs((すいません (2015年3月12日 18時) (レス) id: cbe4b38526 (このIDを非表示/違反報告)
暁 瑠卯(プロフ) - レナレナさん» ありがとうございます!!ベルは子供とか好きなんだろうか……と考えたらなぜかツンデレにwwwこれからもよろしくお願いします(´▽｀*) (2015年3月2日 10時) (レス) id: 8575e4e560 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁 瑠卯 | 作成日時：2015年1月16日 20時
