はじめてのおつかい!! 4 ページ11
「あ〜……
可愛いなぁ、僕のA」
デレデレと表情を崩しながら、椿が感慨深げに呟く
その横で、桜哉はやれやれと溜息をついた
『だッいふく〜だッいふく〜…♪』
忘れない為か、Aは小さくそう口ずさみながら団子屋へと向かっていた
その姿を、影から見守る2人の男。
「…椿さん、さすがにこれは怪しすぎやしませんか。
Aのおつかいが終わる前に、俺たちが警察に連れてかれますよ」
「何言ってんの。そういう時はやっちゃえばいいじゃない。
人間なんて、相手じゃないよ」
ケロリと言っているが、話の内容はとても物騒である
―――この人、ホントにA以外の人間に興味無いんだな…
今更だが、呆れてしまう。
『ごめんく〜ださいッ』
そうしているうちに、Aは店にたどり着いたようだ
「ほら桜哉ッ!!ちゃんと撮ってッ」
「はいはい……」
仕方が無いなとぼやきながら、桜哉はAにビデオカメラを向ける
『すみませーんッ、だいふく7こくださいッ』
明るい声を上げながらAがカウンターへと向かう
「は〜い。……粒餡と、こし餡どちらにしますか?」
店員の女性が優しく声をかけると、Aがはたと固まる
『……どっちだろ?』
首を傾げながら困った顔で眉を下げたその姿に、椿がピシッ!と固まる
「……う、わぁあ可愛い何あれ可愛い
ちょ、桜哉ッ!!ちゃんと撮ってる!?」
「うるさいですバレますよ」
『……たぶん、つぶあんなの』
自分の中で解決できたようで、Aになんとか笑顔が戻る
「はい、粒餡7個ですね。……どうぞ」
大福を受け取り、Aは店員に教えてもらいながらなんとか代金を支払う事ができた
「わぁあ……もう、粒餡でもこし餡でもどっちでもいいや」
椿が感動に耽るようにそう言う。
「ちゃんと言っておけば良かったですね……
まぁ、どうせ皆どっちでもいいんでしょうけど。
Aが買ったものだし」
「一人でおつかい?偉いね〜」
女性店員が、そう言いながらAに笑いかけた
『うんッ!……A、はるになったらしょうがっこうなのッ!!
おねぇちゃんになるんだッ♪』
嬉しそうにそう話すAに、店員はご褒美にと飴玉を1つサービスしてくれた
その様子を見た椿が、口元を押さえながら悶絶する横で、桜哉が「ほら、出てくるから隠れてッ」と眉をひそめる
『ありがとうございましたッ』
きちんとお礼を言って、Aは店を出てきた
その横顔はいつもより少しお姉さんに見えた
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暁 瑠卯@ツイ民(プロフ) - つばきゅんさん» ありがとうございます(´∀`)恐らく池のコイは養殖されていたんだと思います…… (2016年8月22日 12時) (レス) id: d9a84170e9 (このIDを非表示/違反報告)
つばきゅん - コメント失礼します!350匹っていったあとのベルのツッコミが面白いと思いました!! (2016年8月22日 12時) (レス) id: 619b453f13 (このIDを非表示/違反報告)
暁 瑠卯(プロフ) - 華南さん» いえいえッ!!コメントをくださった上にそんな風に思ってくださって、逆にありがたいですッ!!(//∇//) (2015年3月12日 20時) (レス) id: 8575e4e560 (このIDを非表示/違反報告)
華南(プロフ) - なんだよ……ただの激カワロリじゃないか……ちょっと椿さん夢主ちゃんについて小一時間語りまs((すいません (2015年3月12日 18時) (レス) id: cbe4b38526 (このIDを非表示/違反報告)
暁 瑠卯(プロフ) - レナレナさん» ありがとうございます!!ベルは子供とか好きなんだろうか……と考えたらなぜかツンデレにwwwこれからもよろしくお願いします(´▽`*) (2015年3月2日 10時) (レス) id: 8575e4e560 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:暁 瑠卯 | 作成日時:2015年1月16日 20時