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弟切草 「秘密」 ページ6

Aがオトギリと近くの公園で散歩していた時、


"それ"に気づいたオトギリは、すぐさま隣にいるAを呼ぶ。

「A、A……。花、咲いてます」


Aがオトギリの指差す方へと視線を向けると、小さな黄色い花をつけた弟切草が。


『わぁ……!本当ですね、オトギリさんっ……可愛い』

Aは嬉しそうに駆け寄ると、その小さな花にそっと手を伸ばす。

弟切草を2、3輪手折ると、ポケットからハンカチを取り出して包んだ。


「……もう、採りませんか?」

いつもの様に部屋に飾るには、量が少なくはないだろうか。
ただでさえ弟切草は小さな花なので、沢山ないと見栄えもしないだろう。

しかし、Aは微笑を浮かべて首を横に振った。


『これは、持って帰って押し花にするんですよ』

「……押し花、ですか?」


オトギリは首を傾げた。
Aはそんなオトギリの反応に、あれ?と違和感を覚える


『………もしかしてオトギリさん、押し花知りませんか?』

Aの問いかけに、オトギリは少し押し黙った後、小さくこくんと頷いた。


『そうでしたか。……押し花というのは、草花を本なんかの間に挟んで、乾燥させたものなんですよ。

押し花にすると、いつまでも好きな花を綺麗なまま保てるんです』

「いつまでも……」

Aの言葉にオトギリは少し考える素振りを見せた後、また自らも弟切草を2輪程手折った。

『オトギリさん?』



「………私も」

オトギリは小さな声でそう言うと、Aに向かって小さく微笑んだ。


「私も、Aと同じものが欲しいです」

『……!!』

Aはオトギリの言葉に驚いたが、すぐに嬉しそうに

『はい、一緒に作りましょうか』

と笑った。


『お揃いにするなら、押し花で栞でも作りましょうか。持ち歩けますよ』

「〈こくん〉」

『折角です、他のお花も摘んで使いましょうか。きっと綺麗ですよ』

「〈こくこく〉」

『それから――――』


Aはそこで一旦区切ると、少し悪戯っぽい笑みを浮かべる


『この事は、2人の秘密です。

皆さんに言ったら、きっと自分も欲しいって言うと思いますから』

「!!」

2人の秘密、


Aの魅力的な提案に、オトギリもクスクス笑いながら「分かりました」と頷いた。

「皆の分も作らなくちゃならないなんて……困ります」

『はい。……それに、沢山採ってしまっては花をも可哀想ですから』

ね?と笑うAの言葉に、オトギリもまた「えぇ、困ります」と笑った

彼岸花 「また会う日を楽しみに」→←シャムロック 「忠節」



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作品ジャンル:アニメ
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- 全部甘々ぁぁぁぁぁぁ┗(^o^)┓三←逃げる主さん (2016年12月19日 20時) (レス) id: d11167310b (このIDを非表示/違反報告)
暁 瑠卯@ツイ民(プロフ) - まじもさん» ふがが〜!?!?丁寧なコメントありがとうございます!!!!個人的にもこの話は好きな話なので、そう言って頂けると本当に嬉しいです……(*^^*) (2016年8月8日 9時) (レス) id: d9a84170e9 (このIDを非表示/違反報告)
まじも(プロフ) - あと書ききれなかったのですがこれからも小説書いてくださると嬉しいです!よろしくおねがいします! (2016年8月8日 6時) (レス) id: 2a2ae8b192 (このIDを非表示/違反報告)
まじも(プロフ) - 小説読ませていただきました!ありがとうございます!!ほんとにほんとによかったです!うまく言えないんですが椿さんと他のみんなもかわいい一面があってよかったのとすれ違いとか自分がキズついだりした時感情移入?しちゃって泣いちゃったりしたしたw (2016年8月8日 6時) (レス) id: 2a2ae8b192 (このIDを非表示/違反報告)
暁 瑠卯@ツイ民(プロフ) - いなさん» 鉄夢の方も見てくださったんですね!!ありがとうございます(*^^*)仰る通りで、こちらと鉄夢の方は同じ世界観で作ってます(´∀`) (2016年8月1日 18時) (レス) id: d9a84170e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:暁 瑠卯 x他1人 | 作成日時:2014年11月19日 23時

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