異変 ページ5
「マイ、お前クサイぞ」
イミゴにそう言われたマイちゃんは、慌てて自分の匂いを嗅ぐ。
体臭だと思い込んでいるので、あたしは訂正してあげる。
『クサイっていうのは、穢れてるというかなんというか……神聖な神社だから……ほら、家に土足であがらないように靴を脱ぐのと同じで、神社では御手水をするの』
マイちゃんに伝わるように、必死で伝えた。
どうやら、御手水がわからないらしい。
「取り敢えず、そんなんで神社の中をウロウロされたら迷惑だ。身を清めるまでは狛犬の守りより先へは行かせないからな」
イミゴは厳しい口調で言う。
「身を清める？」
しかし、マイちゃんはやっぱりわからないらしい。
『うん。こっちだよ、おいで』
あたしは二人の先頭に立ち、歩みを進めた。
向かった先は手水舎。
あたしよりも先に、イミゴが説明した。
「ここが手水舎だ。穢れたまま神社をウロウロするのは失礼だから、ここで手や口をそそぎ清めるんだよ」
ここまで説明して、やっとマイちゃんは理解した。
確かに、イミゴのいい方には誤解を招いても仕方がない。
『御手水はしたこと……………あるよね。わからなかったらそこに書いてある通りにしてね。で、柄杓はこれを……………って、あれ？』
あたしは言葉を詰まらせた。
「ん？どうした？」
イミゴは、こちらを伺う。
『水も柄杓も無い』
「「はぁ！？」」
目の前には、空の手水鉢だけ。
それを聞いた二人は、同時に驚いた。
「………………………なんで無いんだ」
声のトーンをガックリと落としてイミゴが問う。
「私に聞かれても」
と、マイちゃんは呆れて困惑するばかりだった。
『あたしにもわからない……。けど、とにかく水を出して柄杓も探す！』
「できるの？」
あたしの無駄に力強い言葉に、マイちゃんは首をかしげた。
「やってみなくちゃわからないだろ」
イミゴは、あたしをフォローするように言ってくれた。
こうして、あたしたちは神社の中を探し回ることになる。
続く
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シオン（たこりんちょ）(プロフ) - 炊き込みご飯うめえ！さん» ご迷惑とは思っておりませんし、むしろ有難いです！読んでいただけるだけで感謝しています！ありがとうございました！ (2017年9月30日 21時) (
レス) id: 506276430d (このIDを非表示/違反報告)
炊き込みご飯うめえ！ - シオン（たこりんちょ）さん» こんな名前ですいません、突然すいませんでした！これからも読ませていただきます！ (2017年9月30日 19時) (レス) id: 79c0e2b521 (このIDを非表示/違反報告)
シオン（たこりんちょ）(プロフ) - 炊き込みご飯うめえ！さん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けて大変嬉しいです！どうぞこれからもよろしくお願いいたします (2017年9月30日 7時) (レス) id: 506276430d (このIDを非表示/違反報告)
炊き込みご飯うめえ！ - 読ませていただきました面白いです！ (2017年9月30日 7時) (レス) id: 79c0e2b521 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：シオン(たこりんちょ) | 作者ホームページ：
作成日時：2017年9月28日 2時
