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27.これから ページ29

「十四郎」




ようやく追いついた十四郎を捕まえて、私は声をかける






土「…」


「十四郎?」





何度呼んでも十四郎は、俯いたまま話そうとしなかった
それからは無言のまま、辿り着いたのは村の遥か遠く、古びた神社だった
中にも誰にもいないようなので、降り続く雨を凌ぐために私は十四郎を引っ張って屋根の下へ倒れ込む






「はぁ…はぁ…」





疲れは、既に限界に達していた
濡れた体が少し肌寒くて、腕をさすりながら大きく息を吐く
そんな私の姿をチラリと見て十四郎はようやく口を開く




土「…何があったか聞かないの」





あんなことがあったのに、と言ってまた俯いてしまう





「…聞かないよ。」





言いたくないんでしょ?と聞くと小さく頷いて十四郎は私の着物の裾をきゅっと握った





「今日はもう寝よう、疲れてるでしょ?」


土「A…これから僕達、どうすればいいのかな」


「どうすればって…」






正直、私にもそれはよく分からない
どう生きていけばいいか…なんて、まだ幼い私たちにわかるわけが無い
たとえ姉だとしたって同い年に変わりはないのだから


でも、これだけは分かる







「2人で生きていけばいい…」


土「え」


「なんとか、なるでしょ!」





少しひきつってしまった笑顔を十四郎に向ける
不安はあるものの、きっと2人なら大丈夫だと思えた
姉弟って、不思議だなぁ





土「…うん」




十四郎は目を潤ませて、絞り出すように私に向けて返事をした
その手を引いて抱きしめると、彼は声を殺して泣き始める
震えている十四郎をそっと撫でる






「さぁ、もう夜も更けたし寝よう。」


土「……寝る」





そう言って十四郎はすぐに寝てしまったので、身動きが取れなくなったのは秘密だ





それから、私達2人だけの生活が始まった

28.よく帰ってきた→←26.忌み子



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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 坂田銀時   
作品ジャンル:アニメ
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えんさん(プロフ) - ミカさん» ミカさんありがとうございます!!嬉しいです!^^* 頑張ります!! (2019年9月29日 17時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - おもしろいですね!過去回想篇の続きが楽しみです!更新無理せず頑張ってください^^ (2019年9月29日 11時) (レス) id: ee1104400e (このIDを非表示/違反報告)
えんさん(プロフ) - 雷斗 さん» 雷斗さん…よくお分かりになりましたね…!!ありがとうございます!!頑張りますね!^^* (2019年9月23日 23時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
雷斗 - 土方のツンデレがこれから入ってきそうですね笑笑すごい面白いです!これからも頑張ってください! (2019年9月23日 23時) (レス) id: ecb0b24c21 (このIDを非表示/違反報告)
えんさん(プロフ) - 彼岸花さん» わああ!!彼岸花さんありがとうございます!!これからも頑張りますね!! (2019年9月23日 19時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えんさん | 作成日時:2019年9月18日 2時

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