【OL】すきです【短編集】

水も滴る？ ページ2

ぼーっ、としながら、仕事を終えて帰っている。


今日は牧の方が先に帰ってて、俺はちょっと


本社に用事があったので、遅れてしまった。


牧、流石に寝てるかなぁ。


とか考え、上を向くと鼻頭にぽつ、と水滴が当たる。


「...やっば、雨降ってきた」


そう声を零した瞬間、ぽつ、ぽつと水滴の数が


増える。


そして、ザーッ、と降り始める。


「あー！！最悪だぁ！！...既にビッチャビチャ。」


はやく帰ろう、と走る。


ガチャ、とドアをあけ、ただいま、と一応声を掛ける。


牧「おかえりなさい、春田さん....って


びしょ濡れじゃないですか！


タオル持ってきます！」


とか早々に走ってった。


ちょっと顔赤かった.....？


「ｯうお？！」


わしゃ、と乱暴に髪を拭かれる。


考える暇もなくこんな状況だ。


牧「ほんと、言ってくれれば


迎えに行ったのに...」


なんて言いながらわしゃわしゃと頭をやられる。


玄関の段差のおかげ(？)で、同じくらいの身長になっている。


タオルで視界が隠れていたが、それがなくなり、


そのまま牧と見つめ合う形になる。


こう見ると、やっぱりチワワみてえ...とか


顔整ってる、とか考えてしまう。


牧「それより、その、早く着替えて下さい...


俺の色んなもんぶっ壊す気ですか...」


顔を隠す牧。


別に壊す気はねえけど...、何？


なんかなってる？


と、自分の格好を見る。


今日は暑かったから帰りはスーツ脱いだんだっけ。


って、めっちゃ透けてる。


牧「着替え持っていきますから、


さっさと風呂入ってください！！」


「は、はい」


素直に返事して、風呂場に向かう。


水も滴るいい男って言うだろ？


え、そんないい男じゃない？


うーるっせ！


俺は別にいい男じゃなくてもいーんだよ！


さ、風呂入ってこよ。

【ルルさんリクエスト】嫉妬→←お付き合いした牧春

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