1言目 ページ2
貴『…』ペコリッ
子「お姉ちゃんありがとう!」
ニコニコと笑いながら母親と手を繋いで店から出る子供にペコッと頭を下げる早乙女A。
貴『…(そろそろ来るかな…)』
時計を見ると午後4時30分。この時間になると決まって訪れる客がいる。
五「Aちゃーん、来たよー」
カランカランとドアに取り付けてある鈴の音が鳴るが、Aには聞こえない。
貴『…』ニコッ
Aはニコッと笑いながら、レジに置いてあるメモ帳を使って文字を書いている。
五「また書いてる、喋ってもいいんだよ?」
Aは先天性難聴を患っているので、耳が聞こえない。自分が出している音が分からないので思うように言葉が話せないのだ。
貴『"五条さんがいつも来てくれるので嬉しいです"』
綺麗な文字でメモ帳にスラスラと書いている。五条はAの声も好きだが、Aが書く字も好きなのだ。
五「えーっと…こうかな?」
Aと会話がしたい五条は手話の勉強に力を入れている。たどたどし動作だが、Aにはちゃんと伝わった。
貴『!!"ありがとうございます"』
五「伝わった?!最近、勉強してるんだ」
五条はAに手話が伝えられた事が嬉しいのかニコニコと笑っている。Aもつられてクスッと口元を緩めた。
貴『《いつものですよね?》』
五「あー…ごめんね、勉強不足でちょっとわかんない…」
続けざまにAは手話で質問をしたが、分からない事があったのか申し訳なさそうに、にへらっと笑っている。
貴『"ごめんなさい!"』
Aはペコペコと頭を下げて謝っている。
五条はAが突然頭をブンブンッと下げたので少しビックリしたようだ。
五「僕が悪いから、ごめんね」
貴『"五条さんは優しいです、ウチにくる高校生の間で人気ですよ"』
Aはニコニコと笑いながら書いた文字を五条に見せると五条は少し驚いたがいつもの飄々とした態度に戻った。
五「えー…Aちゃんはどう思ってる?」
いたずらっ子のような笑みを浮かべながら質問をする。Aは困った表示をしながらだが、スラスラと文字を書いている。
貴『"かっこいいと思います"』
文字だけ見たら表情は分からないが、Aの顔はほんのりと赤く染まっていた。
五「アハハ、Aちゃん照れてる?」
顔をほんのりと染めているAに五条はメロメロだ。ニコニコしながらAのことを見つめている。
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唐墨(プロフ) - りゅうさん» お久しぶりです!コメントありがとうございます!初めての呪術廻戦の小説なので何かと至らぬ点があると思いますが、楽しんで見て貰えたら幸いです.ありがとうございます! (2020年12月6日 19時) (レス) id: 34811314ee (このIDを非表示/違反報告)
りゅう - こんにちは!ご無沙汰しております!呪術良いですよね!唐墨さんの小説で呪術が読めて大変嬉しいです!これからも楽しみにしております! (2020年12月6日 8時) (レス) id: 70aa81165b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:唐墨 | 作成日時:2020年11月23日 2時