水柱の継子は雪のよう【鬼滅】

肆拾弐話 ページ47

少し経ってーーー


普段のように蝶屋敷に顔を出すと、ちょうど竈門くんと猪さんは機能回復訓練に入るようだった



私も入隊したての頃、蟲柱に就任したばかりでお忙しかった筈の胡蝶様に訓練をつけて頂いたなぁ………



後輩(彼らの方が年上だろうけれど)への指導でその恩は返していくものだろう


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機能回復訓練は、柔軟と反射訓練、全身訓練だ



まず、ナホちゃんたちが竈門くんと嘴平くん(名前教えてもらった)の体をほぐす


一生懸命な彼女たちに和んでいる私たちとは反面、施術を受けている彼らは必死の形相だ




反射訓練では、私とカナヲちゃんで相手をする


もちろん、入隊して二年も経っている私や、胡蝶様の継子であるカナヲちゃんに敵うはずもなく、竈門くんたちは薬湯まみれである




そして全身訓練



足の速さでも、流石に新人に負けるわけにはいかない


これでも私の武器は、動きの俊敏さと身軽さなのだ

純粋な力で敵わない分の技術


必死に伸ばされる竈門くんたちの手をひらりと避け続ける




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「「ありがとうございました………」」



一日の訓練を終えた彼らは満身創痍の様子である


特に嘴平くんは、カナヲちゃんや私のような女の子に負けたのが悔しかったらしい





「Aさん、

　今日は手伝っていただきありがとうございました」


「ありがとう、Aちゃん」




『いえ、これくらいなんでもありませんから』



丁寧に頭を下げてくれるアオイちゃんやカナヲちゃんに返す言葉にしては、素っ気なかったかなと我ながら思う



でも、これ以上の言葉が浮かぶわけでもない








蝶屋敷を後にして、今日の夕食は何にしようかと考えながら水屋敷への帰路についた

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