参拾肆話 ページ37
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時の流れは速いもので、鬼殺隊に入り二年が経った
師範は二十一歳、私は十四歳になっていた
幾つも任務をこなし、幸いなことに全て生き残ってきた
師範につく任務もあれば、柱の方々とのものも、勿論、単独任務もあった
一度、単独任務で下弦と遭遇し死にかけたけれど、新たに柱に就任した甘露寺様に助けられた
甘露寺様には、それ以降仲良くして貰っている
咲き誇る花のように明るくて可愛らしい方だと思う
そういえば、甘露寺様が鬼を倒した後、流石に大怪我だった私は蝶屋敷に運び込まれたのだけれど
他の任務帰りだった師範が、駆けつけてくれたのには驚いた
いつも殆ど無表情だから、師範の焦った顔を見て私は、珍しいものが見られたなあと思っていた
死闘を生き残ってきたせいか、私の階級は甲まで上がっていた
師範には、
「二年でこれほど(階級を上げるとは大したものじゃない)か」
なんて言われたけれど………
師範の口下手には慣れたし、何なら言いたいことも何となく分かるようになってしまった
慣れとは恐ろしいとつくづく思う
そして、私は雪の呼吸を増やした
師範が独自に編み出した“凪”を取り入れてみたのだ
刀の切っ先を自分の真っ直ぐ前に突き出すと、薄い氷の膜が張る
凪には幾分強度が劣るものの、実践で十分使える技ではあった
甘露寺様にお見せしたら、
「冨岡さんとお揃いみたいで素敵だわ!」
と言っていただいた
師範とお揃い、と言われて、胸の内が少し温かくなったのは、きっと気のせいだ
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うみしん(プロフ) - イナアレオリさん» ありがとうございます!最近は更新もなかなか出来ず申し訳ありません…頑張りたいと思いますので、今しばらくお待ち頂けると幸いです! (2020年11月1日 17時) (レス) id: 6eb890cc4d (このIDを非表示/違反報告)
イナアレオリ - 続きが気になります!早く続きを読みたいです。更新頑張ってください (2020年11月1日 17時) (レス) id: 1602b41523 (このIDを非表示/違反報告)
うみしん(プロフ) - ありがとうございます!これからも更新頑張りますね!! (2020年7月26日 9時) (レス) id: 6eb890cc4d (このIDを非表示/違反報告)
わかめ(プロフ) - うみしんさん» 無理なく、気ままにやるのが占いツクールなので、ずっと 応援します! (2020年7月26日 8時) (レス) id: 1d4ed2cded (このIDを非表示/違反報告)
うみしん(プロフ) - わかめさん» コメントありがとうございます!私事ですが、忙しく、更新出来ない日も多いと思います…。それでも、続きを待っていると仰ってくださったこと、とても嬉しく思います!これからもどうかお付き合いくださいませ! (2020年7月25日 23時) (レス) id: 6eb890cc4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:うみしん | 作成日時:2020年6月7日 21時