ナイン

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．






学校と家の真ん中くらいの場所








周りには特になんにもない
ほんとただの、普通の道








その壁に手を着いてしゃがんでる人が1人









翔太だ。








｢…翔太っ！！！｣


｢…っ、りょ、、ちゃんっ、。｣


｢こんな所で、、寒いでしょ、。｣









マフラーは付けてるけど、
翔太の手先も鼻先も、耳の先まで真っ赤になって
冷えていた









｢ふぅっ、、りょちゃ、、うっ、、｣









あまりの冷たさに驚いて
持っていたブランケットを広げて包み込むようにかける









｢ごめっ、なさい、、。はぁ、、っ、｣


｢謝んなくていいから。俺もごめんね。｣









壁に寄りかかって座ってる翔太を自分の方に引き寄せて、体をさする








｢苦しいね、薬は…｣









翔太の足元に落ちる空のピルケース







｢飲んだんだね｣







そう聞けば うんうん と首が縦に振られる









それでも翔太は苦しそうに
はぁはぁと息をするばかり







｢りょ、ちゃ、、。はぁ、、はぁ｣


｢ん？？｣


｢…うっ、くるしっ、、はぁ、、｣


｢そうだよね、苦しいよね、。｣









こんな寒空の下
飲んだ薬の間隔を考えると飲み直すことも出来ない








つまりどうすることも出来ない









｢翔太、涼ちゃん救急車呼んでもいい？｣


｢…っ、はぁはぁ、、ん〜、、うっ｣


｢いいかな、？｣








手を強めに握って聞けば
ぎゅっと握り返される









｢もうしばらくだけ頑張ろう、｣








誰もいない
人ひとり見かけないこの道で







翔太の息遣いが響く








家から慌てて掴んで来たスマホを開く








樹から｢大丈夫そ？｣と言う連絡が来ていたけど
それは後で返そう








俺は少しかけ慣れた3つの数字を押した





fin

黒×橙(req)→←○

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