【HQ】狂 愛 物 語【短編集】

花巻貴大【カニバ型ヤンデレ】 ページ13

「マッキーってさー、シュークリーム好きだよね〜。」


「シュークリームほどうまいものはこの世にない。」


「それは言い過ぎ。」



ある日の6時限目。この日は古文だったからか、暇すぎて寝ている人もいる。


かく言う俺も暇すぎて、隣の席の女子兼彼女のAとスイーツトークをしていた。



「ていうかマッキーってなんだよ。俺、あの某黒いペンを想像しちゃうんだけど。」


「及川がそう言ってたじゃーん。」


「及川の言うことはあてにならないってお前言ってたじゃん。」



こういう時は別ですー、と言ってべーっと舌をだしたA。


もちろんA本人はとんでもなく可愛いし、北一のマドンナとか言われていたらしいけど、彼女フィルターがかかったせいか、さらに可愛く見える。


ちなみに彼女の好物はいちごのパフェだ。



「あ、紙で指切っちゃった。」


「あーどんまい。それ痛いよな。」


「ティッシュ、ティッシュ。」


「舐めときゃ治る。」



勝手なこと言うな！と叩かれた。


Aの真っ赤な血が白い肌に絡んで、俺はゴクリと唾を飲んだ。


そして、じゃあ俺が舐めてあげる、と言って彼女の細い指をぺろりと舐めると、見えるAは顔を赤くして照れていた。可愛い。


ココ最近、俺は悩んでいた。


白い肌に艶のある長い黒髪。ぱっちりとした二重で、シュークリームのような甘い匂いがする彼女が、時折食べてしまいたいくらいに美味しそうに見えるのだ。


ダメもとで及川に話してみると、「じゃあ食べちゃえばいいじゃ〜ん。」とからかわれてしまった。屈辱。

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