【HQ】狂 愛 物 語【短編集】

孤爪研磨【妄想型ヤンデレ】 ページ5

「研磨、お前Aとは上手くいってるか？」


「‥‥‥‥うん、突然どうしたの、クロ。」




風が涼しく、過ごしやすそうな一日の朝。


今までは彼女のAについて何も聞かなかったクロが気まづそうに俺に話しかけてきた。




「昨日、たまたまAが電話でイチャイチャしてるとこを見かけて、初めは相手はお前かと思ったんだけど、聞いてたらどうも相手が研磨じゃなさそうでな。

お前、大丈夫か？Aに限って浮気とかはないと思うんだが ‥‥‥一応聞いておこうと思って。」


「‥‥‥は。」




Aは昨日俺がデートに誘ったら家の用事がある、って言ってたのに。


初めてのデートの時に、おれに相談もせずに他の男と2人きりで出かけたり話したりしない、って約束したのに。




「教えてくれてありがと、クロ。今日の放課後にAに聞いてみる。」


「おう、朝から嫌な話聞かせて悪いな。ちゃんと仲直りしろよ。」




クロは俺の頭をポンポンと叩くと自分のクラスに戻って行った。


Aに聞かなきゃ。なんで約束破ったの、って。Aの事で頭がいっぱいで、授業があまり頭に入らなかった。


その日の放課後。おれはAに用がある、と言って空き教室に呼び出した。




「あ、研磨、どうしたの？なんかさっきクロ先輩が探してたよ？」


「‥‥‥A。」


「ん？何？」




おれがAを呼ぶと、Aはにこりと笑っておれの方に近づいた。


可愛くて、眩しい笑顔。‥‥‥でも、その笑顔、浮気相手にも見せたのかな。




「浮気したの？」


「‥‥‥え？」




なんで知ってるの？と言われたような気がした。


気がついたら、おれはAを壁際に押し付けて、その両手首を両手で抑えていた。

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