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「それで、あなたは?」
「……呪術師と言ったな、”黒ずくめの服装をした組織”について何か知っているか。ここにいるということは何かしら関わりがあると思っていいんだろうな」
「疑うのはわかるけど質問に質問で返さないで。……けど、そうね、あなたの言う組織については何にも知らない。」
そうか、と拳銃を持っていた男は口元を弛め、フードの男を一瞥した。未だグリップが握られたま、銃口はAに向けられている。
「少しでも不自然な動きをしたら撃つ」
「……あのね、あなたの身元も分からないのに素直に従うと思ってる?とてもじゃないけどあなた達は一般人には見えないもの。それに、こっちも正当防衛ってものがあるのよ」
Aは面倒くさそうにため息をひとつこぼし、先程見せたばかりの証明書を再度男に突き出す。氏名にかかるように国璽が押され、所属、顔写真、生年月日、住所、電話番号など個人情報がズラズラと並ぶそれをじっくりと読んだ彼はようやく拳銃を持つ腕を下ろした。
「そんなに信用できないんなら写真に撮ってもいいわよ。最も、あなたは記憶力良さそうだけどね。」
「……俺は赤井秀一。FBIの捜査官だ。」
「FBI?あぁ、何回か協力したとこがあった気が…。」
「……A、なのか。」
男……否、赤井と言葉を交わしていると、フードを被って壁にもたれていたもう一人の男がそう声を絞り出した。
「スコッチ、知り合いか?」
「なんで彼に聞くのよ。生憎だけど、私に”スコッチ”だなんていう知り合いはいないわ。」
赤井の質問に、お酒飲まないもの、と怪訝そうにしたA。
スコッチは壁からふらふらと立ち上がり、Aに歩み寄ってきた。
彼が背負っていた、弦楽器の入りそうな形をした黒いケースが地面に倒れる。
「……俺だよ。覚えてない?」
ばさっ、と目の前のスコッチが顔を覆っていたフードを取った。
「……ヒロくん?」
スコッチ……いや、諸伏はAの声を聞いて力なく笑うと、彼女の首に手を回し、身を預けてきた。
「っ、どしたの?」
「……ごめん、ちょっとこのままでいい?」
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スコッチ大好き - 更新待ってます。続きが気になります (2月12日 16時) (レス) id: b5263111cf (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - しつこいですが更新待ってます〜頑張ってください! (2022年10月29日 12時) (レス) @page16 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
まみこ(プロフ) - こんばんは!!更新待ってます!!応援してます (2022年10月16日 20時) (レス) @page16 id: 9d3f4398ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キャンパスロング | 作成日時:2022年9月23日 14時