【実ｼ兄者】添い寝だけ。【uszw】 (ページ18)

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「「いただきます」」

二人向き合い食事をする。食事が終われば俺は風呂へ、Aちゃんは片付けをしてくれる。それが終わればお互い自由に過ごし、二人で就寝

今日もいつも通りの流れで進んでいく。あぁ、今の生活を続けていたいだなんて俺はなんてわがままなんだろうか

今日は一段と仕事が多いようで食事中にもボーッとしている事が多かったAちゃん
風呂に入りながらぼんやりとしていた考えはまとまった

「……今日で終わりにするか」

忙しいのに他人に時間を割くなんて迷惑だろうし、もう十分すぎるくらいに一緒に過ごしてもらった。俺の不眠症も治ってきてAちゃんが来る日以外もまだ時間はかかるもののきちんと眠れるようにはなってきた

「そろそろ、離れる時なのかもな」

モコモコと泡立っている頭に熱いシャワーをかけてシャンプーを流した

・

「Aちゃん、晩酌でもしない？」
「え？」

今までAちゃんの前で一滴も飲まなかった酒。俺の好きな銘柄の缶ビールを二つ持ち、仕事が終わったようで疲れた顔のAちゃんの前に差し出す

「いいですね。かんぱ〜い」
「乾杯」

これで最後にしよう
最後くらいは酔っ払っても許してくれるだろう

酒にあんまり強くないらしいAちゃんは2缶目で顔が赤くなっていて。そんな所も可愛らしいな、なんて思いながら俺は3缶目のプルタブを引いた

これを飲んだらきっともう寝る時間になるだろう。そうして起きてお金を渡してAちゃんが俺の部屋から出たらアプリを消そう。もうこの「添い寝フレンド」はやめよう

そう決意するとなんだか寂しくて酒がどんどん進んでしまう

「牛沢さん、飲みすぎじゃないですか？」
「ん？へーきへーき」

自分でも呂律が回ってきていないのを感じる。けれど会えなくなる不安を消そうと酒は進むばかり

・

Aside

「俺好きなんだよね」

相当酔っ払っている牛沢さん。目の前に置いてある空き缶の文字を指でなぞり嬉しそうに笑う。けれどその目はどこか寂しそうな目をしていた

「もう時間だし寝ましょ？お水持ってきますね」

私が立ち上がるとグイッと右腕が引っ張られた

ぐらついてそのまま牛沢さんの腕の中に包み込まれる
鼻をくすぐるのは牛沢さんの香り。バクバクと大きく鳴っている心臓の音はどちらの音かも分からなかった

「…ん、」

牛沢さんからのキスはビールの味がした