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「おつかれっした」「お疲れ様でした」
「おー!2人とも、勉強頑張れよ!」
「はい」「うん!」
いよいよ二人で勉強する日がやってきた
バイトが終わってからエプロンと名札をロッカーに置いて、勉強道具を持って倉庫へと向かう
「さてさて、とりあえず古文からやってこうか?」
「よろしくお願いします」
俺がお辞儀をしながら言うと「こちらこそお願いします」だなんて笑いながら頭を下げるA
テスト範囲の古文の問題を教えてもらう
・
「この場合は…こうやって使うの。それでね……」
「ほうほう」
今まではいやいややっていた古文もAから教えて貰うならやる気が出るな、なんて俺らしくない事を思いつつ、教えてもらったり事をノートに書いて覚えていく
「……すごい!全問正解だよ牛沢くん!」
「あ〜よかった…ほんとありがとなAのおかげだわ」
「そ、そんな…」
謙遜してブンブンと首を振る仕草が可愛らしくて思わず笑ってしまった
「じゃ、休憩して次は俺が先生役だな」
「お願いします」
笑っているAにリュックから取り出したお菓子を渡して休憩を取った
・
「これは……そうそうあってるあってる。A飲み込み早ぇな」
「牛沢くんが教えるの上手なんだよ、」
丸つけをしてみると全問正解で。Aの顔をみると嬉しそうにニヤニヤしていた
「なにニヤニヤしてんすか」
「わ、」
にやけているAの頬を軽くつねると、直ぐに真っ赤になる顔。パッと離すと恥ずかしそうに「もう牛沢くん!」だなんて怒るから「ハハッ」と声を出して笑ってしまった
好きなやつに意地悪したくなるだなんて、ガキかよ俺は……
・
「コンビニ寄らね?腹減ったわ〜」
「いいね」
勉強終わり。ただいま時刻は7時過ぎ
夕飯を食べていないから2人して腹ぺこだ
「ん。これあげる」
「え、いいの!?」
差し出した肉まんに目を輝かせるA。しかし直ぐにあ!と声を出して自分が買ったピザまんを二つに割って俺に差し出してきた
「半分こにしよ」
綺麗に割られたピザまんをありがとう、と受け取り口に入れた
なんかいいな、好きな人と夜にコンビニ飯食うのって。
帰ってからもAの笑顔が忘れられなかった
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作者名:こっぺ | 作成日時:2022年10月4日 14時