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「で?昨日はどうだったよ」
「!!……お前、なんで知ってんだよ……」
昼休み、急にキヨに呼び出され自販機の前で2人で話しているといきなりニヤニヤとした顔のキヨが言ってきた
なぜだか知らないが、こいつは俺がみんなと違う明らかに『本命』となるようなチョコを貰ったことを知っているみたいだ
「どうって…そりゃ……美味かった」
「それだけ?」
「それだけってなんだよ」
他になんかあんのかよ、だなんて言うと「はぁ〜」とわざとらしいため息をつくキヨ
「うっしーさぁ、クリスマス一緒に過ごして、バレンタインではしっかり本命のもの貰ったんだろ?」
「ま、まぁ……」
「なのに告白してねぇの?」
「はぁ!?」
思わずでた大きな声で自販機前に居た奴らがこちらを振り返る
いやいや、そんなことどうでもいい。
「告白、?」
「そ」
恐る恐るキヨの顔を見ると真剣な顔をしていた。どうやらガチで言っているようだ
「うっしー告白しないなら俺がしよっかな」
「は?お前、Aのこと好きなの?」
自分でもわかるくらい声が低くなる
だって、仲がいいのは知ってたけどそういう仲じゃねぇだろ
「まぁな。俺1年からクラス一緒だしAって純粋で素直で可愛いじゃん」
「ふーん」
まてまてまてまて!口では冷静に「ふーん」だなんて言ったが内心冷や汗ダラダラだ。仲の良いキヨから告白されたらOKするだろ!?
「ま、うっしーがするなら諦めるけど。……うっしー気づいてない?Aもうっしーと同じ気持ちだって事」
俺と同じ気持ち
俺はAが好きだ。てことはAも俺のことを好き…?
「ま、せいぜい頑張れよ〜」
ポン、と肩を叩いてキヨは行ってしまった
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作者名:こっぺ | 作成日時:2022年10月4日 14時