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牛沢side
待ちに待った夏休み。そして今日はBBQの日。
「確かここに…あった!」
家の裏の小さな倉庫を開けると中にはBBQセットが入っていた。グリルや折りたたみの椅子なんかを4人で運び出す。
「Aさん、俺持つよ。重いでしょ」
「牛沢くんありがとう!助かるよ!」
野郎4人も居れば準備はあっという間で。さっそく切っておいた野菜や肉を並べてBBQを始めた。
・
「ふぅ〜もう腹いっぱい…」
「俺ももう無理、、」
多めに用意した食材を全て食べきった俺たち。Aさんは「成長期の食欲恐るべし…」だなんて呟いていた。
手分けして片付けをする事になり、俺とAさんは家の中で洗い物をする係になった。
「やっぱり男の子はよく食べるんだねー。普段の料理は足りてる?もっと多く作った方がいいかな?」
「あーいや、いつも作ってもらってる量で足りてるよ。美味いし量も完璧」
「ほんと?次は作り置きも作っとくし足りなかったら食べてね?」
「ありがと。楽しみだわ」
そんな他愛もない会話なのに、初めて2人きりで話すことになんとなく緊張してしまう俺。
俺がした洗い物の水気をタオルで拭き取るAさんの細い腕や小さな手につい目がいってしまう。いやいや、目を見て話せよ俺!!!
「Aー!外の片付け終わったー!!」
キヨの声で2人きりの空間がぷつん、と切れたように感じてなんだかモヤモヤしてしまう。
ん??モヤモヤ????
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作者名:こっぺ | 作成日時:2023年6月25日 9時