Now Loading19 もえ様リク ページ19
Aが皆と話しているときに、柄にもなくAの袖を引っ張ってから俺は我に返った。
「え……、至さん?」
Aは突然のことに驚いた顔をして俺を見た。
俺はすぐさま手を離し、無理やり笑って言った。
「いや、何でもない。俺、もう少し一眠りしてくる」
そう言って談話室を出て、自分の部屋に向かった。
(何やってんだ、俺は。まったく、子供みたいに)
さっきの行動の理由は分かっている。
それは、嫉妬______。
「俺も、人に対して貪欲になったものだな」
ちょっと気持ちが落ち着くまで、部屋でゲームをしてようと決め込んだ。部屋に入ってゴソゴソとゲームを取り出し、ヘッドフォンを装着する。
それから、どのくらい経っただろうか。
いきなり、左肩に重圧を感じた。
人が入ってきてる事に気付かず、ぎょっとしたが、それもそのはずだ。ヘッドフォンをしてれば人の気配に気付くはずがない。
恐る恐るヘッドフォンを外し、重圧を感じる左肩を見ると、俺の肩に寄りかかってうたた寝をしているAだった。
俺が少し身動きをすると、Aが目を擦りながら起きた。
「……あ、至さん。終わりましたか?」
「終わったもなにも、途中で止めた。来たなら、一言でも声かければ良かったのに。ってか、談話室に居なくてもいいの?」
「何でですか?あ、至さんの作ったフレンチトースト、みんな喜んで食べてましたよ。良かったですね」
上品に笑うAが、俺は眩しく感じた。
嫉妬と言う煩わしい感情に苛まれている俺に対して、Aはそんな要素が一つもない。
俺は思わずため息をついた。
こんな風に思っているのは俺だけなのか……と。
「至さん、大丈夫ですか?さっきの談話室の時から様子が変ですけど……。いつものお気楽な至さんはどこに行ったんですか?」
「お気楽って……。Aは談話室での俺がどういう風に見えたの」
「寂しそうに見えました。だから、部屋まで様子を見に来たんです」
「寂しそう……か。はぁー、人間って本当に自分の好きなものに対して貪欲すぎだよね」
俺の一言に、Aは意味が分からないような顔をした。
俺は、緩く微笑む。
「Aが周のやつらと楽しそうに喋ってたから、______嫉妬してた」
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水城 麗(プロフ) - 亜美さん» ありがとうございます。゚(゚^^゚)゚。 (2018年3月8日 6時) (レス) id: bd51aafe55 (このIDを非表示/違反報告)
水城 麗(プロフ) - 如月嶺菜さん» いえいえ!私もお気に入り追加させて頂きました!!これからも更新頑張って下さい!! (2018年3月8日 6時) (レス) id: bd51aafe55 (このIDを非表示/違反報告)
亜美(プロフ) - えすりチャットから来ました〜!文才尊敬しますm(_ _)m2の方の更新頑張ってください〜! (2018年3月8日 2時) (レス) id: 1c7e306430 (このIDを非表示/違反報告)
如月嶺菜(プロフ) - えすりチャットからきました!!おもしろかったです(*´∀`)ドキドキでした(笑) 足下にもおよばなくてすみません!! (2018年3月8日 0時) (レス) id: fe1d1b2304 (このIDを非表示/違反報告)
水城 麗(プロフ) - 此花桜さん» お褒めの言葉ありがとうございます!!少年陰陽師はとても好きなんです!特に太裳が好きです(*´∇`*)更新は不定期ですが、頑張ります(‘д‘ ) (2017年10月17日 19時) (レス) id: 653960e939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水城 麗 | 作成日時:2017年8月6日 19時