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卒論のレポートを作ろうと、久々にキャンパスに出向く。
昼食を一緒に取るか、なんて呑気に考えながら校内で友達と待ち合わせしてるアイに声をかけた。
ア「け…い…」
俺は所詮、いつもと違う彼女の様子を気に留められる程、彼女を大切に思えてなくて
□「友達？」
バカみたいにアイの横で笑顔を見せた。
□「っ…」
何も無かったみたいに、初めましてとでも言えば良かっただろうか。
でも、言える訳なかったんだ。
俺が“もう会いたくない”なんて大き過ぎる嘘で傷つけた彼女は、あの日と変わらずに驚きと悲しみで溢れてたから。
「ごめん、先に行くね」
逃げるようにその場を後にするAを追いかけるなんて出来なくて。
□「友達の、彼氏？」
ただならぬ雰囲気のアイと、Aの彼氏を前に、そう問いかけるのがやっとだった。
それが、アイを苦しめることになるなんて、考えられる余裕も当然無い。
ア「うん…私の中学時代の友達だったの」
でもアイの返事で確信したんだ。
ずっと会いたかった人に会えたんだって。
□「ごめん、俺ちょっと急ぐから」
俺は、もうここにいちゃいけないんだよね？
自分の為に、アイの幸せを壊すようなことは出来ないんだよね？
どこに行くかも決めずに、校内に入る。
アイが追いかけて来ないのは、ずっと想いを寄せていたあの男と一緒にいるってことで。
すぐ前をAがトボトボと歩いて、中庭に出る。
追いかけるなんてしちゃいけない、そう頭では理解してるのに、俺の足は自然とAに向いた。
□「A…」
久々に呼ぶ名前に、ゆっくり歩いていたはずの胸が弾む。
結局のところ、俺は単にまた会えたのが嬉しかったんだ。
「ごめんなさい、もう現れないでって言われてたのに」
俺に背中を向ける彼女は、振り向くこともせずに声だけを震わせた。
□「俺の方こそ…ごめん」
なんて言葉をかけて良いかもわからないままでも勝手に体はして、Aを後ろから抱きしめる。
最低なコトをしてるっていうのは、頭で考えなくたってもちろん分かってた。
でも、もし戻れるなら…
今度はちゃんと好きだって言える。
離れてからずっと、俺はAだけを想って来たから。
「ダメだよ」
もう戻れない、戻っちゃいけない。
そう言わんばかりにAは消えそうな声で抵抗すると、スルリと俺の腕の中から去った。
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8nocchi(プロフ) - りゅりさん» やっぱ切なくなっちゃいました(^_^;)でも忙しい中でも読んでくれてる方が居て嬉しいです！ほんと、いつもありがとうございます♪ (2015年10月5日 0時) (
レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
りゅり - ヤバいです。もう泣いちゃいました。そして、中間試験と英検があるのに毎日チェックしちゃいます。応援しています！ﾘ｀▽´ﾉﾘ (2015年10月4日 22時) (携帯から) (レス) id: 90d6124633 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - 充希さん» いつもコメントありがとうございます！ちょっと行き詰まってたけど、頑張ります！ (2015年9月3日 20時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
充希 - part2、おめでとうございます！あいかわらず8nocchiさんの作品、ハマってます笑頑張って下さい！ (2015年9月3日 19時) (レス) id: 1d8072f2d8 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - ユウリさん» 40で、好きな子がシゲを好きになって、シゲもその子が好きで。だから“もう”そうはさせない、的な感じです！ (2015年8月26日 23時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：8nocchi
| 作成日時：2015年8月23日 0時
