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93_□ ページ44

“お待たせ〜!内定式お疲れ様!”



勢いよく開かれる助手席のドア。

モデルの仕事をやめて、普通の大学生として就職活動をした俺は、無事に大手と呼ばれる企業に採用された。




□「友達、良かったの?」




半年くらい前にクラブで知り合ったアイは同じ大学の一年生で




ア「ごめんね!昔の話してたら盛り上がっちゃって」




初めて会った時からは想像出来ないくらい、素直でよく笑うようになった。




□「ううん。バイトまでまだ時間あるでしょ?うちでケーキ食べて行きなよ」

ア「慶が食べたいんでしょ?」

□「んー、その前に…」



唇に触れるだけのキス。

それは初めて会った時から、俺たちの間では当たり前のことだから。



〜〜〜



□「いやっ…ここは…」



事務所を辞めた日、送別会と称してスタッフが飲み会をセッティングしてくれた。



『今までこんな所、来れなかったでしょ?こういう場は学生のうちしか楽しめないんだから』



サングラスのみの変装で若者が集うクラブへと無理やりに引っ張られて。




『ほら、あの子とかすぐ釣れそう』

□「こう言うの…ヤバいですって」

『失恋を癒すのは新たな恋ですよ』





もう自分の代わりに誰かを傷つけるなんて出来ないと思ってたし

まさか自分が、代わりにされるなんて思っても見なくて。




□「良かったら一緒に飲みませんか?」




酔いつぶれかけてるアイに、半ばヤケクソで声をかけたんだ。




ア「あなたは、私が良いんですか?それとも、誰でも良いんですか?」



彼女は虚ろな瞳でも核心を捉えてて。




□「ごめん、どっちも違う」




酔っていても偽る事なんて出来なかった。

俺は、A以外はダメだから。




ア「同じ…ですか?」




やっと巡り会えたみたいに、アイは泣きながら笑ってた。




□「そう…なんだろうね」




自分と同じ想いを抱いてる、それを感じた俺は妙な開放感に包まれて。

サングラスを外して、勢い任せに彼女の唇を奪った。




ア「もっと…して?全部忘れたいの」





きっと、俺たちは同じような苦しみを抱いてきて。




□「俺たち、同じ事考えてるんだね」




代わりじゃなく、自分が変われるキッカケを求めてたんだ。



〜〜〜

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8nocchi(プロフ) - りゅりさん» やっぱ切なくなっちゃいました(^_^;)でも忙しい中でも読んでくれてる方が居て嬉しいです!ほんと、いつもありがとうございます♪ (2015年10月5日 0時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
りゅり - ヤバいです。もう泣いちゃいました。そして、中間試験と英検があるのに毎日チェックしちゃいます。応援しています!リ`▽´ノリ (2015年10月4日 22時) (携帯から) (レス) id: 90d6124633 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - 充希さん» いつもコメントありがとうございます!ちょっと行き詰まってたけど、頑張ります! (2015年9月3日 20時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)
充希 - part2、おめでとうございます!あいかわらず8nocchiさんの作品、ハマってます笑頑張って下さい! (2015年9月3日 19時) (レス) id: 1d8072f2d8 (このIDを非表示/違反報告)
8nocchi(プロフ) - ユウリさん» 40で、好きな子がシゲを好きになって、シゲもその子が好きで。だから“もう”そうはさせない、的な感じです! (2015年8月26日 23時) (レス) id: 2b2618977d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:8nocchi | 作成日時:2015年8月23日 0時

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